今回通算11回目にして初めて議案書の投函・郵送から2週間で総会という非常にタイトな総会になりました。年も押し迫ってからいろいろ議案の中身が変わったせいで、本当は11月→12月→1/24 と2回も総会日程がリスケジュールされてちょっと恥ずかしかった。
いつもは、総会日に対してリードタイムは3-4週間は確保してます。
郵送だと、届いてすぐ返事をしても往復で4日くらいかかるから、9日前を書面提出締切りというのはとてもタイトです。実際、全戸インターフォン放送とかで実際に住んでいる人の出席率はアップしたけど、在外の参加取りこぼしは最大だった。
一方で、役員の訪問回収は総会の1週間前で、土日しかできないから、そこでアタックする部屋数を二けたに抑えるためには、9日前締切は動かせません。
そこで今回から試してみたのが、総会への電磁的採決参加です。
うちのマンションの規約は、原始規約から総会の”電磁的方法”による採決参加を併用できるようになっていましたし、もともと「コラボ」というマンションの住民専用の掲示版に住民の8割以上が参加して、通知などをWeb上で見ています。そこに”電磁的”な総会参加(参加表)って機能が実装されている。
もともと、地球の裏側にお住まいの方から郵送で届いたら、もう総会に間に合わないんですとか丁重なご連絡を頂いていたりもしました。電磁的にやるなら、パソコン使う人には議案集をPDFでダウンロード可能にして、クリックで参加してもらえば、
議案集の印刷に要する1-2日(うちはコピーが白黒だとページ1円切っているので、基本議案集は内製しています)と、郵送の2日程度をスキップ可能だし。
総会採決の電磁的方法の併用には以下が大事かな:
なりすましとかができないシステム
「コラボ」は、仮IDが部屋番号と結び付けてで発給されるので、どの部屋番号かはごまかしようはなく自明。議決権行使書に参加すると自動的にその人の名前と部屋番号が入るのでこれはOK。これをもって、押印代わりと認定しました。
電磁と紙と両方でてきたらどうするって決まりごと
これは、株主総会などを参考に、両方あったら”電磁優先”かつ、総会の直前まで何回でも回答を変更できるその最後のものを採用と、紙と電磁式の案内の両方に明記しました。夫婦でだしてない?とか錯覚してかダブルででてきたのは495票中2票だけで、両方同じ結果(たまたま全議案賛成だった)だったので、これは実際にはどちらでもよかったですが、どれを優先とか予め決めておかないと面倒なことになったかもしれない。
簡単に紙の集計と合併できる仕組み
議決権行使書が8議案あるのを、どかっとまとめて部屋番号と一緒にCSV形式でファイルに取り出せるのは必須です。でないと併用するだけ手間が増えるだけ。これは対応してたので、前日深夜にクリック一発で、Excelシートに張り込んで集計終了にできました。
総会で実際に使ってみた結果としては・・・
① 電磁式できたもの160票、残り335票で、全体の1/3。電子掲示板への参加率の割には電磁式で参加してくれた人は少なかった。これは過去のアンケートでも200を超えて電子掲示板で集めたことはないからこんなもんかも。
② 最初電磁式がどかっと100くらい先行して、締切後の督促分を電磁でだした人は殆どいなかった。つまり、もともと総会参加に熱心な早めに投票する層が紙から電磁式にぽちっとやる方に移っただけで、参加議決権数が早く集まるように加速する効果はなかった
③ 一方紙できたのは、紙を眺めながらしこしこExcelシートの数千か所を賛成・反対とかクリックしないといけなかったのが、電磁式の分だけその手間は低減されました。(CSVからカット&ペーストで張り込んで終了、間違えようもないし)
- ②の最初紙ではこなくなるのと合わせて、紙の集計期間を短縮して、管理人さんに今回から一任、”集計する”という作業から役員が解放されたのは大きかったです。
④ 今後在外の方にも時間的不利がなくなりますと案内できる効果はあるかな。地球の裏側にいるので間に合わないと恐縮されている方が1人でもいらっしゃれば、理事会としてはなんとかしないとまずいとは思っていたから。無事にぽちっとやってくれました。
まぁ全般としては、今後浸透させていけばよいかなで、成功・・・かなと。
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実はここからはある程度は予期していた結果なんですが、議決権行使書の賛成・反対の割合が、”紙なのか” ”電磁式”なのかで結構有意に違っていました。
これは、組合のアンケートを実施するときにも、知られているものです。過去に、マンション内で年1000万円の組合負担を生み出しているミニショップを隣がコンビニだしで廃止したときにも、「200円と一見安く見える牛乳が実は500円なんです。どうします?」
と問いかけて(一部の人に凄く誘導的と叱られました)アンケートをしたときに、廃止反対の人が、ネット回答では1割くらいなのに、紙での回答では4割近くに達したことがあります
電磁の票; 夜ー夜中に来る、男性名、若め、コスト意識が高い、変化を受け入れる、禁止・制限条項などマンションのリソース確保のための制限など多数決によるなんらかの制限を受容
紙の票; 昼間に来る、女性名、年配多し、とかく組合が払ってくれといいがち、初期設定からの変化は嫌う・自分が不便になる議案はマンションのためとかいってもやはり反対しがち
これはあくまでも『傾向』です。100枚単位でみていくとほのかに見えてきて、統計的に処理してみると有意になる程度のものです。
どっちかというと、年に2回も規約本則を改定するうちの組合は、割と私の好みに近いというか、どんどん変えていくのが好きなので、組合の施策への賛成票は、電磁式にやったほうが賛成を得やすく、どかっとお祭りやりあしょうねといった自治会的な行事への賛成票は紙のほうがとりやすい。。。。
ってな傾向を知ってしまうと、中立的なアンケートとかつくりようがないですね。
私は最近では、なんでもアンケートを実施するというのには懐疑的です。サービス案件の需要予測・本当に可決できそうかどうかをYes/No2択で探るなどの特殊な目的を除いては、めったに実施しなくなってきています。共用部の利用ルールとかどっちに転んでも、組合の財政が傾くことがないって場合には実施してますが。
特に、修繕費の値上げや、管理費の消費税率自動連動といった、可決できなきゃ組合が飛んでしまうといった組合の財政的命運を左右する議案は、理事会内の採決のみでいきなり議案化してきました。 組合理事会には組合破産させない義務があって、そのためにはお伺いなんかしてないで、理事会への信を問うべきだと思うようになってきたからです
ただ一つのチョイスを理事会として責任をもって示した上で、賛同を問うべきだと思うので、修繕費の値上げに関していえば、理事会内で2:1程度だった 均等割り:漸増案のいずれかへの賛否を問うようなアンケートは実施していません。代わりに、最後参加者が1人になるところまで繰り返し何度でも説明会は開催しましたが。
【最後1人に説明したら、そんなに汗かいて必死に説明しているんだったら、しょうがないから賛成票にしておくわと言われて嬉しいというか複雑な気持ちに】
うちのマンションは、共有持ち分を奥さんにも設定しているとかでオーナーが複数人となっている例はかなり少な目で、ほとんどの場合区分所有者がご主人側で、奥様は同居する占有者ってことになります。 今まで催促されると、奥さんが書いていた率が高そうなのが、ちょっとだけ区分所有者当人の ”現役で働いている男性的”な論理が強くなったかな・・・・
総会ってのは95%とかほぼ全員が参加する巨大なアンケートだと思うから、アンケートもしないで。。。ってよくある批判は当たってないんじゃないかなと。
【役員が23人もいると、統計的にほぼ賛否は、全戸の場合と同じになるって点も大きい】
いろいろな意見を偏りなくとりいれる一つの方法としては、電磁式の併用はよかったんじゃないかなと、集計結果を見ながら思ったのでした。もっとも生活密着系で賛成が増えた代わりに、組合のガバナンスなど法務・財務系の議案では反対が増えましたが。
仕組み的に難しいこともあって、電磁式での参加は推奨していきますが、紙の議決権行使書をなくすつもりはないです。
#総会終わって編終了、管理関係は理事長論・理事会組織論に戻ります。ミッキーさんに11回も書いてもらったしね。
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