間違いだらけの住宅ローン返済指南 -1 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

何を書いてあるかか表題が不明確だったので変更しました。
”車選び” ではありません。

最近、Twitter の私のタイムライン上で話題になってたのが、この記事
 
『住宅ローン、繰り上げ返済すると損?数字に関心が高い人ほど陥りやすい勘違い』
  http://biz-journal.jp/2014/11/post_7405.html
 
 一読してこれはひどいな・・・・本人が勘違いしてるじゃんとか思ったのは、のらえもんさんも同じだったようで、速攻で先にブログにされました。
   http://wangantower.com/?p=8397
まぁ分かり易さで彼にかなうわけもないですが、私も参戦?
 
 もともとのFPさんの ”勘違い”記事指摘まとめ;
 
■ 2000万 35年のローンを組んで、3年経過したとこで100万円繰り上げ資金ができた
■ 住宅ローン控除は1%で、フルに利用できる
■ 直ちに"期間短縮型”の繰り上げを行うと、利息を29万円減らせて2年返済期間も短縮できる
■ 一方、住宅ローン減税は10年目までフルに利用しても7万円にしかならない
■ 29万円 >> 7万円なので、直ちに繰り上げた方が”お得である”

 
 つっこみどころがあまりに多くて、本当にFPなの??とか思わず資格を確認したら1級もってるとか・・・・”利息の計算結果”はあってますが、アドバイスはどうみても間違いまくりです。同じFP資格もちのうちの妻もこりゃーひでーな...と
 
 実際に元の記事を読んで混乱された方もいるみたいで、こんなブログもある。
   http://momonestyle.com/miscalculation-from-fp
このFPさんわざわざ ”自分の計算" は合っているとかEメール送ってきたとか...
数字は合ってますが、根本的な考え方そのものが間違ってます。
 
 今では、”みかローン”  http://loan.mikage.to/  (←ローン計算では”基本”)
とかありますから、複数のローンを混ぜ、かつ一部を繰り上げ返済するといった複雑な場合でも利息計算は今や誰でも自分で簡単に実施できるわけで、単なる返済額の数字の計算はもはやFPの仕事じゃありません。
 長期に渡る家計設計の考え方をきちんと提示するというライフプランの提示をして、家計が破綻するリスクを最小化する方法を教えるのがFPの仕事でしょう。
 
 ”節約推奨系” のFP(男女差別する気はないがなぜか女性に多い)って例外なくいけてない推奨を出すなと思うのは、まるで利息負担が悪みたいな言い方をすること。
 ご推奨に従うと、ぎりぎり頭金を積んで、繰り上げ返済資金ができたらさっさと繰り上げに使うことになって、手持ちの資金はずっと殆どない状態が続くことになる。 そこで勤め先の会社がつぶれたらどうする気なのかなぁ。” 期限の利益の喪失”で、全額一括返済をすぐに求められてせっかくの自分のうちの任意売却でうっぱらうことになったら目もあてられない。
 
 利息がいやなら最初から住宅ローンなんか組まないでキャッシュでマンションを買えば利息は0です。
 これはできないから、数十年先の自分の収入を今使ってローンを組んでいるわけで、ローンの利息は「ローンの継続期間のどこででも繰り上げ返済できる権利を買う」ためのコストです。とくにローン期間を短縮する方向での繰り上げには非常に慎重であるべきだというのが、私の主張です。
 
 昔のフラット35のように100万円単位でないと繰り上げできないなんてことは今やなくて、繰り上げ返済手数料も無料化されている金融機関も多い。そもそも100万円1回だけ繰り上げてあとはなにもしないという仮定も変ですがそこは今回はおいておきましょう。 (その2以降でちょっとじっくり)
 
 同じ人が手持ちの余裕資金100万円をどう使うかでの”損得”の問題なわけなので、住宅ローン減税の期間が切れる10年後にその100万円を使って繰り上げた場合との比較になってないのが、元記事の最大の問題ですね。
 
 答えは、のらえもんさんが計算してリンクを貼っているこの2つの比較の通り
  http://loan.mikage.to/loan/plan/2014111921064365b876104213
今の例のように ローン利率<住宅ローン減税分1% の場合損にはなりません。
 

 7年に渡って、100万円という大きなお金を手元においておいても”損しない”のであれば、もしもの場合に備えて、繰り上げ返済は実施しないほうが、どんな有事にも対応できるだけ明確に有利です。

# もともとのFPさんの事例が35年ローン金利は一定と”仮定”して計算されてますからこの点へのツッコミはのらえもんさんにも私にもなしでお願いします。変動だろうが固定だろうが、ローン利率<住宅ローン減税率であれば、”常に” ”いかなる場合でも” 10年に満たない繰り上げは損になりますので。 変動で急に利率が上がって困った。。。ならその時点でその100万円を使って少しでも利息を消せばよいわけですから

 個人が非常に低金利でローンを組めるのは、住宅を買ったときくらいしかありません。
 私は、よいローンは、よい貯金と同じくらいに価値があると思うのですが、貯金と借金で公平な考え方ができない人が多いのが不思議です。
 35年先にローンが残っているかも?ってのが恐怖なのかなぁ... 生命保険替わりにも使えてそれまでに死んでしまっていれば借金ちゃらにできるぞ! くらいに私は思うのですが...
 
繰り上げ返済してしまったお金は他に使うことはできない(重要なポイント)
あなたは以下の”貯金”を提案されて実際に預けますか?

 
(1) 今からちょうど3年後に 100万円を預けて頂く
(2) 金利は複利年率0.8% で、いかなる理由があっても中途解約はできない
(3) 34年目と35年目に、129万円にしてお返しすることを約束可能

 
 これ、ちょうど上のローン繰り上げで、”期間短縮型”(1年11月の短縮になります)で100万円を繰り上げた場合のローン金利の低減を、貯金の利息の話に置き換えただけの話で、”損得”は全く同じです。期間短縮型なので、毎月の支払いはもとのローンと全く変わりませんから、実際にはFPの方が言うところの29万円”節約”を回収できるのは、今から34年目と35年目になります。
 
 今自由に使える100万円と、34年目-35年目まで一切使うことのできない129万円のどちらに価値があるか?と聞かれたら、”この貯金はしないです!”と答えるひとのほうが多いんではないかなぁ。
 無論利率によりますが、現在歴史的な低金利なわけですから...
 
#実際に交通事故で人がなくなった場合なんかに補償金を計算する方式は大抵ライプニッツ方式で、複利で現在価値に焼き直しますが、今あげるからで現在価値への割り戻しに採用されている利率は0.8%なんかよりはずっと高いですね
 
 FPさんはなんで比較する片方がなんで10年目に繰り上げでなくてずーっと現金でもってるの?ってツッコミどころはともかくとして”利息の額”としては計算はあってます。
でも、繰り返すけどFPの仕事は利息金額の計算ではありません。
 
 今目の前にいある100万円と、35年目にならないと使えない129万円の比較になっていることを何もいわないとしたら、人生の長期設計のサポート役としてはどうかな?? とか思うわけです。
 
# 住宅ローンについては少し思うところもあるのでこの後
(1) 通常借り換えで返済期間は伸ばせない点への指摘
(2) 繰り上げは、”返済額低減型” は”期間短縮型”に比較して不利というのは誤解という指摘
(3) 保証料は、一括払いが得か、利率にアドオンすべきかの点
あたりを少し書いてみようと思います。

  
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本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、
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