修繕積立金の値上げ計画-9 均等割? 漸増方式? | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 まだまだ続く、その8から。
 
#なんで建築の専門家でもない自分が、地震からこっち、ここはなおすのここは直さないのって決定とか、人に嫌われるのを相当主導してこないといけなかったのかって思いはある。さっさと予算案を可決して逃げたいって気持ちの現れだなぁ。。。
 
 まぁ今まで書いていることとかぶっている部分も多いけど、掲示板より再掲。
まぁ退屈かもしれない。。。以下興味のある人だけ。
 
 
(1) 漸増方式? 均等割?
 
 もともと私は修繕積立の均等割には反対の立場でした。もし均等割にするとまだローンが多額残っている家計から、繰り上げ返済のための原資を築年数の浅い時期に奪うからで、推定2%の利息で借金をしている家計から、お金を抜いてストックさせても、管理組合はあまり高金利での運用は無理で、とても2%なんかでは運用できないですから。
 
 それが4年も理事会になんらか参加していると、段々考えが変わってきました。いかに”値上げ”の総会採決が困難かというのを知ったし、滞納などへの対応(現在は3月超えは1戸もなく押さえ込んでいます)を通じてメガマンションが一時金方式でお金を集めることがいかに非現実的かを学んだからです。
 
 後年度の負担を重くする形で、今だけ楽をする議決は無論通りやすい。しかし、トータルで30年では㎡あたり200円を超えてかかるというのは厳然たる事実で、30年の間で工事で使われる総額が変わるわけではありません。タワーなどの例をあたっても超長期で平割りして200円未満という例外はまず見つかりません。
 工事方法などををちょっと工夫したら安くなるとかそういう幻想はやめるべきで、多少いたんできても、修繕周期を大幅に伸ばして古びてきても耐える以外には安くする方法はないと考えています。
(無論古びてきてないなど、修繕を伸ばせるならのばすにしくはないですが、足場を架設するだけで億単位でかかるし、工事の間の不便を考えればあんまりバラバラにできるもんでもないと思います)
 
 後で実際に重くなってきたときに、”はい修繕費だけで月3万円になりました!よろしく” という議決が通るかといえば、とても理事会は議案化できないのではと思ってます。
 
 結果どうなるか? うちの近所(○○マンションとかさすがに実例は書いてないけど容易い確認可能な場所を書いた)の××通りそいのマンション外壁をご覧ください。数箇所に1つはどうみてもここ20年は外壁触ってないでしょという感じでボロボロですね。
調べてみるとそんなマンションすぐお隣と当然同じ値段では売れていません。やっぱり4年も理事会にいるとマンションに愛着もでてきますからそうはなって欲しくない。
 20年たって、周りよりはちょっと高く売れるねとか...まぁお隣みたいなマンションが目標とすべきものです。
 
 毎年立候補者も殆どない脆弱な基盤のうちの組合が、5年に一回どんどん負担の重くなる議決を通せるかといえば、どこかで諦めちゃう可能性も高いんじゃないかなとは思っています。 
 
 (2)お金のかかる時に考えればいい?
 
 書かれているような均等割にはせず将来の負担者が考えることでは?という考え方には私は反対です。

 隣のマンションは20年少しでオーナーは半分入れ替わっています。
うちのマンションも今まで年に全戸の2%程度のオーナーチェンジがあり、他に20戸近くはオーナーはマンション内には住んでいません(賃貸回し)
 
 1-10年目に住んだ人も、21-30年目に住んだ人も、同じ空間を10年間利用したというのは変わりません。
快適性を享受した人が受益者負担で払うべきということであれば、10年未満で売ってでていったほうがいいというのは (大抵のマンションは1回目の工事で、こんなにお金がかかるんだというのに気がついて、その後で値上げに踏み切りますからそこで”大幅”に値上げされるパターンが多い) ずっと残っていく人から見れば、これは巨大なババぬきゲームに参加させられたようなもので、値上がり前に売ってでていった人に対してはただのりされたという感情は禁じえないでしょう。 ずっと住んでいたら損だという徴収案を管理組合が提案することには私は強い違和感があります。
 主として自分が住むことを想定したマンションで、賃貸オーナー的発想に与することはしないほうがいいのではないかなと思ってます。
 
 実際に私はここのほかのマンションを相続で引き継いだオーナーをしていますが、だいたい築20年で入手したら、突然契約もしていない機械式駐車場の更新で、積立がないから一律一時金徴収ねとか言われて、まぁ家賃の1年分くらいもっていかれました。
 総会では、当然反対意見を述べましたが、同じような人も多くて(駐車場を一度も使っていないのに、はい百万近くねといわれたら普通怒るでしょう)総会は大紛糾しました。 
 20年先とか工事の直前に考えろとおっしゃていますが、その前の年に入ってくる人は、ではその分安くしてくれないとこの家は買いませんよと交渉する権利はあるわけで、組合のバランスシートは総会の議案書を見ればわかりますから組合が隠しておくことは現実的にはできません。
  
(3)修繕積立金のトレンド
 
 ある年度で工事があるから、その近くでは急に負担の変動があるというのは、一時金の例にとってみれば、株の配当落ちみたいなもんですから、その前後の中古価値などに大きな影響を与えます。 
一方しっかり管理し、修繕も実施している管理組合がしっかりしているねってマンションは長い期間の間には評価を得てきます。

 身近な例でいうと、××小学校の向かいの△△は旧耐震のマンショで1979年築ともう軽く30年を超えていますが、足立区の基準から見ればとても高い値段で取引されています。
 ”大規模修繕”を終了した直後で口座に何億円も残しているという健全会計を誇っていますが、そのマンションの純資産と、それを維持できているという組合(凄く大変な自主管理です)の力量が評価されているものだと思います。ーーー最近3回目の大規模修繕を始めましたね。
(URLを貼っていたけど省略)
 
 築34年のマンションを坪115万の値段で売り出せるなどうちの区ではなかなかにありがちではないですね。普通に新築が@150-160で売っていることもある区なわけですから。 一方修繕積立金は、Webページをクリックしていただけばわかる通り 1㎡1月あたり300円です。(管理費は100円にまで減量を終了してますね、住み込みとはいえ、常時管理人のいる管理でこの数字は、オートロックすらないとはいえ理想形です)
 これは線路に近いので音がうるさいのでと敬遠される1号棟側での売り出し価格で、2号棟側はもっと強気です。
 
 修繕積立金を含め管理組合の持つ純資産がマンション区分所有権の中古市場の価格形成に影響を与える時代が来るのはそんなに遠くないと私は考えています。
#期待しているだけだな。。。これは。。。(ブログのみ)
 
 現に三井のリハウスなどは、組合の総会議案書をとりよせて、資産状況までチェックしてきちんと見込み客に説明しているようです。 修繕積立金の国交省ガイドラインで、均等割が強く推奨されて以来、新築マンションの積立金水準も大きくあがってきていて、”積立が安いということがネガティブに見られる日がかなり近く”なってきているのではないかというのが私の感触です。
 
(例:野村の低価格帯ブランド”オハナ”は郊外に立てる坪100~120万のマンションですが、修繕積立金は8階建てでも1㎡あたり150円を超えるスタート価格に設定されています。多分均等割に近い設定でしょう。
うちは超高層認定を要する20階を超える高さですが、現在たった118円しか徴収していません)
 
 最近の意識の高いタワーマンションでは、急激に修繕計画を、48-50年程度で考える方向の計画表をたてるところも増えてきています。
 今回湾岸を中心に多数のタワーの修繕計画の改訂例を議案書で集めましたが、それに比較してうちの計画は僅かに30年。その工事総額すら、漸増式で急激にキャッチアップするという方式では、余裕資金を一切もたない運営を行うことになるため、将来もし再び地震が起こったら。。。などに修繕周期の変更などでも対応ができなくなることを恐れます。 
 
(4)とはいっても、例えば均等割なら修繕費2万ってのは近隣の新築マンションの
  2倍になる。売る時影響がでないか?

  
 出る可能性はないとはいえません。ただ、修繕積立が足りてないのは近隣のマンション全てがそうです。
早く対策に乗り出せば乗り出すほど、均等割には安い金額で移行することができます。

 今まで5800万と必要額の約半分で済ませてきましたから、不足分で凹んでいる
0.6*"5" =3億円を残りの、30-”5”年で不足分こみで是正していけばいいわけですから年1200万円の”返済”で済みます。
 一方、あと5年もし放置した場合には、今度は6億円を20年で返済することになり、年度あたりに余分に積まないといけないお金は、3000万に激増します。
これが、営繕委員会が、早急に待つことなく最低でも50%の値上げをすべしと理事会に答申している理由でもあります。
 
 新築のマンションが急激に”国交省指針”に準拠を進めていったような場合、今でも一部に残る”修繕費は管理費の1割”みたいなマンションはかえって悪目だちして敬遠される可能性も高いかもしれませんし、そうなっていって欲しいなと思っています。
 
 工事総額の推定で大きく差がでるのは、足場の架設コストと、外壁の補修コストです。出来高での支払い契約のほうが向こうはぎりぎりの価格を提示できますが、実際にはやってみなければわからないところがあります。あとで足りなかったとならないように、今回の計画では壁面のタイルの3%程度の交換を仮定して見積もっていますが、今期に簡易的にいろいろな壁面にぶらさがって、地震の影響などで剥落しそうな部分がないか打診した結果では”現状では”1%強程度とみこまれていて、かなり保守的な見積もりをしています。 
 一方、長尺シートの張替えや、塗装、防水の打ち換えなどには、相場というものがあって、突然半値でやってくれる業者が現れるといった夢をみることは困難です。
 工法での節約はしれています。安くするには言葉はどう言い繕っても”修繕しない”しか方法はないというのがここ1年この策定に関わってきた私の考えです。
 
。。。。まぁ返事を転載するだけですが、どんなやりとりがあるかって参考にはなるでしょう。
  
このシリーズまだ続きます。
  

 
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