修繕積立金の値上げ計画-5 震災復旧と修繕計画 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 その4の続き
 
 うちの震災復旧は、緊急のもので
- EXP-J(エキスパンジョンジョイント)の脱落(15箇所近く使えなくなった)と
- いくつかある棟のうち一つで発生した外壁タイルの浮き(耐震スリットに沿って)
かなりのタイルが剥がれてめくれあがった部分があるの修理を、今期までに終了していて、もう4000万以上は使っている。
 
 まだ残っている不具合としては、
震災で、水景施設が水漏れを起こしていて池に使っている石を全部はがないと修理ができないと言われている(見積もり1200万円;直すかどうかも決まってない)のと、
開放廊下側の梁などに小さなひび割れが起こって塗装したのが剥がれていて見苦しいとか、玄関周りのひび割れなんかの補修(見積もり1100万円;これはかなり見てくれが悪いので)とかの他に、
最近希望全戸のバルコニーに立ち入り検査をして調べた、バルコニー側の不具合がある。地震の前から、割と逆梁部分で、現場うちのコンクリートと、工場でつくってもってきた部分との継ぎ目を中心にかなりのひび割れが見られていて、まぁ直せるなら直してくれとの声は多かった。
 
 うちのマンションは制振の高層棟、普通の耐震の棟、壁式の棟といろいろあるんだけど、この順に被害が大きいかな。昔のURの団地じゃないけど、壁式は地震に強いなぁ。。低層だしほぼ被害0。
 制振のほうが、通常の耐震よりもダメージがでたってのはちょっと意外だったなぁ... 許容している層間変形角が制振棟のほうが大きくて、柔構造というか、大きくしなって地震の力を受け止めるようになっているから、”主要な構造部”は大丈夫でもいろいろと不具合はでやすいみたい。
まぁ構造計算書が変ではないとか、実は1年近くいろいろやりあっていたんだけど、構造計算は間違ってないが結論。
(間違っていたら、ブログには書かないわなwww )
 
 どこを今回の一連の緊急補修で済ませてしまって、どこは大規模修繕送りにするかで、いくつもの案が考えうる。
 
(1) 今回徹底的に直してしまって(外壁なども簡単に補修を済ませる)初回の大規模修繕を15期に送る案
 ー これは”今回”の補修が2億円とかになるけど、あんまり地震とは関係なく経年劣化でいたんできている部分もあって、委員会では過剰修繕ではって意見が多かった。
 
(2) 今回、どうしても緊急だったりやっておいたほうがよいものだけ実施して(といっても4千万円とかになる)、予定通り12年ごとに大規模修繕を行なう。
 
(3) 今回の工事はもう一刻を争うもの(外壁に剥がれて剥落しそうなのが見えているタイルとかが目視でも確認できる)だけにしぼって修復を実施して(といってもまぁ1-2千万円コース)、大規模修繕を前倒しして8期に実施する。

 
3つの案が、営繕コンサルタントから提案された。
 
 (3) は実質的に4年も大規模修繕を前倒しするので、総額が跳ね上がることになって厳しいし、どのみちかなりの支出を来期に行うのでまずは没になった。
 
 (1) は過剰修繕って声が委員会内では多かった。
 営繕委員会には、一般住民の人も入っているし、建築士さんなんかも入っている。
一般住民の方は、割と見た目にこだわるというか、ちょっとでも梁にひび割れが入っていたら完全に補修しようという方が結構いるんだけど、下手にそこだけ補修すると補修跡がかえって目立ったりする。多分割と築浅で地震にあったから、”新築同然”に治るってのを期待しているのだと、一箇所梁のひび割れをきちんと直しただけで、スパン間に全塗装をかけないといけない。これを全戸対応でやっていくと、2億円(戸あたり40万円)とかになっちゃって、全戸の半分以上は地震のあとでもどこにも故障はないと報告してきているので多分可決は難しいだろうなぁと思われる。
(まぁ、”建物愛”が大きいから専門でもないのに営繕委員に入っている人が多いわけだから、これは当たり前といえば当たり前ではある)
 
 一方建築士や、建設業関係の人などは、できるだけどうしようもなくなるまで、修繕はやらずに耐えて、全体のコスト削減を計らないとお金がいくらあっても難しいでしょうという立場。素人目には、これ早めに直さないと見れくれわるいんでない?ってな場所でも、雨がかかる場所でもないしとりあえず後回しでもいいんでは?ってな感じで、まぁ見てくれよりも、コンクリに水が入っていかないかとかそっち方向を気にする傾向が強い。
(EXP-Jが脱落したのは許せんとか怒るけど、外壁タイルはまぁ落ちるもんだよねなんて程度で、割と一般人とノリが違うんだな。。。)
 
 私は、割とその真ん中あたりで、金はないから過剰修繕は避けたいけど、お客さんがてくてく歩いてきて、開放廊下に面した梁にヒビが入って、そこの塗装がはげてめくれているとかは、スパン間全塗装で直したほうが、いいような気もしていて、割と建物寿命よりも万人の目につきやすいとこ重視で直してきた。
 
 外廊下側や、玄関周りの一部の住戸のひび割れなどは、1000万ちょっとで復旧といっている。もし私が自分のうちを売るんだったら1戸2万円で、まぁ廊下歩いていてどこにも地震の影響が残っていないようにするのには、1戸2万円以上高く中古で売れる効果があるんではないかねぇとか主張して、これは今回の補修に割と力技で計上。 多分地震影響が共用部で殆ど見えないように直すのには資産価値保全に面からは意味があろうと。
 
 営繕委員会は4年ずっとやってきた人がもうちょっと瑕疵責任追求とかで疲れたとかでそろそろ引退させてくれって人が多い。実は私もそう。
 理事会の理事は今期やっている人で来期への立候補者が0だし、委員会も殆ど全数入れ替え(4人程度の理事が義務として自動的に委員に入ってくる)となると、(1)案みたいな徹底的な工事で2億やりますってのを、継続性をもってやっていくのは難しかろうで、結局 (2) 案になった。
全員入れ替わってえいやっと委員会に送られたらあなたたちは2億の工事をすることになってますってのはちょっと酷だと思うから。
(数千万級でも死ぬほど大変だったものなぁ)
 
 震災復旧の取崩しも、大規模修繕計画へのその費用や、消費税率UPに対応した修繕積立金の値上げの両方を提案してくれという営繕委員会としては、総会向けのロジックとして、”地震でどうしても今必要なものは直す”けど、”12期は予定通りやってね”というもの以外では理屈が通しにくい。
期の数を変更するとなんで8期だったり15期だったりするんだという誰もが納得するロジックがいるけど、まぁこの程度?って以上の理由はないでしょうし。
 
 ミッキーさんとこみたいに、そろそろ大規模修繕ってマンションで、ちょうど地震のダメージも少し残っているのであれば、1年前倒し程度なら消費税率UPを逃げられるからありかなぁ。うちはまだ築浅すぎるかな。
 
 ってんで、来期には4000-5000万の震災対応の取崩し(総額で8000万とかになる)を計上して、消費税率は当然UPねで、30年の必要費用を見直して、それに対して一時金なしで破産しない積立計画を立てることとなった。
 
 まだまだ続きますよ。。。ってこれ読んでる人いるんかな(笑)
 
#えー都内でそんなに壊れてる?っていう人もいるかもしれないけど、誰もいわないだけ。数億円級のダメージを受けているマンション一杯しってますから、うちのは。。。まぁこんなもんかなってなとこ。やっぱ地盤が弱いとこはねぇ。。。。

 

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