居室の『充填効率』-4 内廊下ではなぜか引き戸 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 その3で見てきたマンションD/Eは廊下に面した側の居室に開口部(窓)が
確保できていますから"外廊下”のタワーということになります。
 一方下記にあげる例は、内廊下になっているから、”普通”な方法では廊下に
面していて、開口部分に接していない部屋を居室と呼ぶことはできない。
 やっぱり3LDKなのか、2LDK+S(サービスルーム)では販売上は違うからいろいろ
と苦労することになります。
 せっかくだから財閥系で順番で、3枚ほど事例を。最後にクイズにするから
名前は、F/G/Hとしておきましょ。
 

Fマンション

  
<F: 三菱の湾岸のタワー ↑>
 とあるプロゴルファーを広告に起用するも、販売はもう1棟あるわりには
そのプロゴルファーのツアー成績なみに急ブレーキが。
 70㎡程度中心でこう部屋を確保すると、いくら設備面を今までの坪300万
超級タワーなみに整備しても、ちょっと苦しげなのはね...
 
Gマンション 

<G: 住友の湾岸のタワー ↑>
 住友は総ガラス張り。どかっと景色が楽しめれば、まぁあんまり間取りの
使いやすいさとかにはこだわらないところがあります。それにしてもこれは
豪快(まぁ売れ残っている部屋なわけですけども。。。)
 タワーってのは、いろいろ間取り確保が困難になるとか欠点も沢山あるから、
ぶっちゃけ景色がいいってことにしかタワーであることの価値が認めがたい。
なので景色最優先であとは我慢しろってのは間違ってるわけではない。
 
Hマンション 

 
<H: 大手全部(?)のタワー ↑>
 三井が主幹事っぽいけど、三井・東京建物・三菱・東急・住友・野村に
ついでに、東電まで入っているという...
巨大なタワーは、四角形で確保すると、辺の長さの増加に対して、辺の
2乗で面積が増えちゃうから、特に部屋を廊下側にとれない内廊下では
スパンの不足が顕在化しやすい。Yの字型のトライスター形状の採用には
合理性がある。このくらいスパンがあると苦しげでなくなりますねぇ・・・
 
 内廊下は悪くないけど、”スパン”が十分ある場合限定ってのが私の
意見で、 内廊下(スパンたっぷり)>外廊下>内廊下(スパン不足)
ってのが私の私見なんですよね。Yの字型にぐるーっとスパンが確保できる
から確かに悪くない。(多分大規模では、芝浦についで2棟目かな)
 無論タワーは間取りの確保と、柱位置は独立にできるから、お隣から
ひと部屋奪ってくるとかすればその部屋だけはよくできるから、部屋ごと
に個別に評価すべきではありますが。

 ~~~~~~~~~
 
 あれ~全部3LDKだけど、タワーFもGも、窓のない部屋が表示できている
じゃん? とか不思議に思うかもしれないけど、Fでは、奥の洋室3が、
Gでは、リビングの奥のベッドルーム2が引き戸を開けて入る形になってる。
 
 Fでは手前の洋室2は普通にドアになっているのに何故か奥の部屋だけ、
引き戸でこれは理由があるはずですね。
 これ建築基準法28条の規定で、ふすまなどで隔てれている部屋は、隣の部屋
と合わせて計算して、合計面積に対して1/7以上の面積をもつ”採光に有効な”
窓の大きさが取れているから、ちゃんと居室扱いして構わないと。

(一番下に条文そのものを掲載)
 
 この2つの部屋に、日が差し込むということはまぁありえないわけですが、
法的には”有効な採光条件”を満たしているので居室扱いで、サービスルーム
表記をする必要はない。この2つの部屋、入口を普通にドアに替えてしまうと
サービスルームになっちゃうわけで、引き戸なのには必然性があるんですね。
 
 内廊下でない場合でも、田の字で、横長リビングにして通常は南のバルコニー
面を全部リビングにあげちゃった場合、北には2部屋しかとれないから、
1部屋は中につくるしかない。
 これが大抵”中和室”になるのは、障子であけてはいれば、リビングと合わせて
採光面積計算ができるせいですね。やっぱり洋室なら扉をつけるとサービスルーム
になっちゃう。
 
 ってことで、『入口が引き戸』だったら、その部屋実際には灯りをつけないと
ずーっと真っ暗な”行灯部屋”である可能性が高いと考えるわけです。

MRとかだと灯りつけっぱなしで最初から煌々と明るくしてありますけどもね。
(私はどのみちひと部屋は書斎なので、本が日焼けしないぶん真っ暗な部屋で
構わんで探していました)
 
  もともと全館空調をしましょうで管理費が高くなる
→ 管理費はなぜか坪単価300万だと1㎡月300円である
   (購入者の懐具合に比例して管理費は初期設定されます)
→ そもそもお高いタワーしか内廊下にはできない
ですから、そんなに安いタワーが内廊下になることはありません。
 必然的に、機械面のスペックも大抵豪華に奢っていて、全熱交換式の換気
システムで、きちんと奥の奥のほうまで換気を確保しているわけですから、
この昔風の建築基準法の規定、もう緩和条件をつけてあげてもいいような
気がしています。
 
 このシリーズこれでA-Hまでで8つのマンションが紹介されたからもう2-3で
10くらいにしてから、名前あてクイズにでもしましょう。
 
 <おまけ>

ーーーーーーーーーーー 建築基準法28条規定はこちら
 
 建築基準法
第2章 建築物の敷地、構造及び建築設備(第19条-第41条)
 居室
【居室の採光及び換気】
 
第28条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令(①)で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令(②)で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあっては1/7以上、その他の建築物にあっては1/5から1/10までの間において政令(③)で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
 
2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、1/20以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従って換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
 
3  別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの政令(①)で定めるものを除く。には、政令(②)で定める技術的基準に従って、換気設備を設けなければならない。 
 
4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた2室は、前3項の規定の適用については、1室とみなす。
 
 
 ーーーここまで

 
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