今日アップしたその1の続編です。
例によって5年ほど前に乗っけたものなので実例ネタはちょっと
古いです。ご容赦を。 例によって後日談は #部分
今回は、タワーであることのメリットは?って話しです。
本当は単に好きだからなんですが、これでもまぁ別分野ですが
"研究"を"仕事"にしている以上、意地でも理屈はつけなければ。
タワーであることのメリットってなんでしょう?
2つの考え方ができるかと思います。
[1] 大きな容積率を使えることで”本来的には”好立地でも
坪単価を低減可能なこと
[2] 眺めがよいこと (普通はこの線でしょう)
私は、建物はいいのが欲しいし、交通の利便性も追及したいが、
土地にはあんまりお金を払いたくないほうなので[1]的な考えで、
タワーの中層程度を狙うことが多かった。中層っていっても
30階くらいのイメージですが。。(笑)
マンションの図面集で配棟や、各方向からの図面の入ったのには
必ず容積率とその対象面積に関する記載があります。
非常に簡単にいってしまうと、廊下などの共用部分や2m幅までの
バルコニー(2m超えた分はそこだけ算入されるらしい)等の面積を
除いた面積 -その大半がマンションでの専有面積の合計になります -
を、土地の面積で割り算したものが容積率。
これの法的な上限目一杯でマンションを建てるわけですね。
売れる床面積は少しでも売りたいでしょうし。
普通の上限よりも一杯容積率を使って、同じ土地にずっと多くの
戸数の入ったマンションを作る方法いくつかあります。
マンションじゃないけど最近では、『東京駅』の背丈が低いせいで、
『新丸ビル』は何故か『丸ビル』より太っているという...
街区を越えて先に容積率だけ飛ばせるとは凄い時代になったもんです。
タワーでよくやるのが建築基準法59条の2の総合設計制度で、
公開空き地があれば、容積率積み増しOKってやつです。
(法律の条文を見たい人には、『法庫』のホームページがオススメです。
宅建の勉強のときHP上でちらちらチェックとかね)
湾岸のタワーはこれ利用して600%程度まで増やしているのが殆ど。
よーく掲示板で、住民以外が入ってこられる公園とかあってけしからん
とかいう意見を見ますけど、これなかったらそこタワーにならないので、
話が逆なんだけど..とか書き込みすると、ぼこぼこにされそうですので
沈黙してます。
私の最近で見にいった物件では、大きいほうから順で
#くどいけどこれ書いたんは5年前ですよ。全部完売してます
ステーションガーデンタワー 1000%
THE TOKYO TOWERS(ザ・トーキョー・タワーズ)960%
WORLD CITY TOWERS(ワールドシティタワーズ) 770%弱
THE CENTER TOKYO(ザ・センタートーキョー) 650%
芝浦アイランドケープタワー 600%
キャナルファーストタワー 600%
アーバンドック パークシティ豊洲 はちょっと控えめ450%でした。
(実際に勘定してみたら 449.952%まで使っている..
適法にとれる面積の 99.99%ですね。あの規模であと14㎡しか残して
いないとは神業に近い)
容積率は郊外なんかの小規模物件だと 200% 再開発地区の大規模物件で
300% 稀にどかっと20階建てとかで埋めたおして400%ってのが超高層認定の
いらない60m以下のマンションの数字ですから、
いかに効率良く土地の利用ができているかがわかります。
タワーのほうが建設坪単価は高くなりますが、都心立地のように土地代が
勝っているような場合(坪単価大体200万程度で原価は土地~建物になります)
土地代が同じならタワーのほうが安く作れる”理屈”です。
実際に、タワーを作る”つもり”じゃなくて土地取引されたとか、
ちょっと訳ありで買い叩かれたとかの場所には、極めて稀に嘘!ってほど
安いタワーマンションが売られます。
実際には、タワーにはずっとその希少性からプレミアムがついてきた
事情があって、出来上がりでちょっと高くってもいいって方から逆算して
仕入れするので、タワーを建てるつもりの土地の入札価格は大抵凄い値段に
なっています。
豊洲の例でいえば、ドゥスポーツ跡地は1ha 60億ちょいなのが、もっと
前に購入されたスーパービバホーム脇の土地には、1.4ha に、
129億+地上権買取りで43億で 170億以上土地仕入れに投入されました。
[ S不動産お金持ち..でも数年間の相場の上昇分をちゃんと見越して
落札しているのはさすがプロですね; 東京フロントコートの頃は1ha 50億
ほどで買えていたのですからいずれにしても高騰したものです。
まだ売っていないか全部売り終わったマンションばかりだから問題なかろう...
おっと住友のツインはまだ売っているけども。。。]
# 後日談、住友の豊洲のツインタワーは、土地仕入れは172億円。1063戸
なので、1戸あたりの土地仕入れは1600万円ほどで、容積率対象面積を
有効率100%近くで消費する場合には、専有面積1坪の仕入れ単価は
70万ほど。直近のワンダフルよりちょっと安いくらい。
最近の湾岸マンションブログでは有名なのらえもんさん式にいえば
@250万でもちゃんと黒字でることになりますな。
仕入れ値段はそれほど目玉が飛び出るほどではない割にはしっかり
利幅をとって売っているので、あれほど売れ残っていても住友はすぐ
にはつぶれないわけです。まぁ関西風というかなんというか...
まぁ丸ビルの土地は1haで2000億円に見積もられているわけですから、
マンションの土地は安いものだと思う。
1haあたりでは2倍の土地の価格なわけですが、容積率も2倍違うので、
(豊洲北地区の通常の容積率上限は450%ですが、隣のビバホームから
150%容積率移転しているからここは600%)
床面積あたりではちゃんと同じで勘定はあっています。
ってことは容積率があげられる部分は、土地の取引の段階で全部
食われていて、末端の購買者がその恩恵を受けられるわけではない。
マンションの土地取引には、土地面積×容積率分を売り買いして
いるのだと思って見ないといけないのでしょう。
土地の公示価格での鑑定には、容積率の最大利用で価値をはじき
だしているはずですから、最近の都心部の地価高騰には、この効果
ってのも大きいはずで、だとするとどこまでもは上げていけないとは
思うのですが、あんまりそういう視点からの解説ってのは
Web上には落ちていないですね...
# これまた後日談でちょうどミニバブル期で値段があがっている時期に
もともと書いたブログなんで上のパラグラフは読み飛ばしてね
ということで、稀にある例外を除いては、[1]的なメリットは現状
では期待できません。段々人口が減ってきて、一方、湾岸地区が
航空法での規制リミットの 200mに近いタワーできっちり埋め尽く
されるまで待っていれば、また状況も変わるかもしれませんが、
私は結構歳なのでその前に寿命になりそうな気もする。
”今”タワーを買うメリットって、普通には眺めがいいこと以外
にはあんまりないのでしょう。そういう意味では、ちょっと安いから
とかいうので、ちょっとだけお見合いのかかった向きとかばかり
狙ってきた私のやり方は、タワー狙いの王道とはとても言い難い。
取り合えずタワーは眺めを楽しむものだと決め付けることにします。
え...さんざん読んだのに結論があまりに当たり前だって??
すいません (^^:
では眺望を楽しむにはどういうタワーがいいのかっていう具合に話が
繋がらないといけないわけですが、それは "その3" へ
まだ続きます。
よかったら、ぽちってください。別にやばいことは何もおこらなくって
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