騒音問題への対応(4) - なぜか多い低層階のクレーム | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

    この回だけわざと、テーマは”マンション探訪”です。
音問題が出やすい部屋には建物的な特徴があるってはなし。
失敗談でも、解決の具体策でもないので、マンション探訪系のヲタク
限定
 

 騒音問題で直接面談までいって失敗。。。って話は参考になるかも
しれないから(まぁ成功談は、たまたま成功したのかもしれないけど、
失敗には必ず理由があるから)この騒音問題シリーズの次々回あたりで。
 
 私が仲裁に失敗、売って引っ越していってしまった部屋は実は、
上の住戸とまったく間取りが違っていて、クレーム元の主寝室の真上は、
上の間取りでは3つくらいの部屋に振り分けていく割と長い廊下になってて、
上の階で夜寝ている人は、その廊下を通らないとトイレにはいけない。
 やはり上下で極端に間取りが違う場合は、普通購入は慎重に検討しましょう
ってパターン通りではあるわけです。全ての部屋の間取り集は公開されて
いるから、騒音に敏感なんだったら、避けるべきで自己責任の範疇では
ないかなぁ。。。
 
#上下で間取りが違うのはうちもそうで、うちは西半分は上には部屋がない代わりに、上の部屋の
ルーバルになってる。 実は上の部屋のための排気管が廊下の屋根裏をかなりの長さに渡って
通っているって問題があったのに、重説説明されてなかった。どうみても撤去不能だから共有部
による専有部侵害ですから、契約時重説必須事項でしょう。
 契約時に説明なしで、内覧会で見つかった(内覧業者が予測はしていた)パターンなので、
これ説明うけてないですけど、リフォームのときに撤去しても構わない管ですよねぇ。。。
とかでごりごりいじめたらまぁちょびっと(100万単位ではある。。。)おまけしてくれたので、
その排気用の管を買い取ってもらったような気分にはなっている。
うちの部屋の値段は定価で3回、裏で1回、重説違反で1回改訂されているんだけど、結局
まだ高かったな。。。

 
 閑話休題。
 
 面談までいくパターンはめったにないけど、
『 近隣に音や振動で困っている人がいます 』の定型文の投函は
もうなんだかんだで25回(戸数ベースで)は投函しているはず。
これだけの数になると分布の特徴とか見られるわけなんだけど、
 ● 全戸のわずか7%しかない7階の壁式の棟に5-6箇所程度
 ● 上のとかぶるけど例え高層棟とかでもかなり低層階(5F以下)」
   とかにクレームの発生が集中していて、7割程度が全体では
   1/3程度の5-6階までからきている

 のがうちの特徴。
 
 これには、だんだんわかってきたけど、実際に室内に入って騒音計を
構えて測定していると、
”何も上階などの騒音が存在しないとき”の騒音レベル(暗雑音)が低層階では
とくに低くて、場合によっては30dBを切っているような場合があるのが理由。

 
 うちみたいに高層階だと、窓を開ければ、あっちこっちから音を
集めてきて、うわーんって感じで結構うるさい。
まぁ、あんまり窓を開けて風をいれたまま寝るってのは
(風がとても強い地理的な要因もあって)できないんだけど、
サッシや窓を閉めても、暗雑音は30-35dB超えとかはある。
 人間がうるさいとか、騒音として感じるのは、暗雑音を超える
成分で、10dBとか高いと、あー音がしたなでそっちに注意がそがれる。

 
 35dBなら45dB / 30dBなら40dB からってことで、低層階は普段高層階
に住んでいる人から見ると、特に夜は ”気味わるいほど静かだなぁ”とか
中に入ると思うんだけど、そのせいで、マンションの中を伝わってくる
固体伝搬音は、意識されやすくなっている。
 
 うちのマンションは200mとか割と近くに高速があることに加えて、
もともと外断熱を得意にしているデベとのJVだったこともあって
開口部の仕様にはわりとこだわっていて、全窓複層化してあるほか、
サッシなどに使われているのはT2級の遮音サッシ。
外の騒音の防音は、窓からが中心だから、通常のT1に比較すると
5dB低減できるサッシを、まぁちょっとコストアップして入れていることになる。
 
 高速道路からの騒音は、高速道路を上から見下ろすのか、高架になって
いるのを下から見上げるのではかなり違う。(これは実際いろんな部屋を
訪問してみればわかるから。。。)高速の影響が小さいと、南側の部屋は
前100メートル以上騒音源になるものがなにもないから、影響の小さい
低層階にまでT2サッシとかいいのをつけすぎて暗雑音をさげすぎたのが
低層階でクレームの多い理由ではないかなと私は疑っている。
ーーー多分5F程度から下のサッシだけ最初からT1で作って、暗雑音レベル
を上下階でそろえておけばクレームは激減したであろう。
(暗雑音30-35dBで暮らせないかといえば全然そんなことはない)
 
 実際、部屋ごとに事前に暗雑音レベルを測定して、サッシ遮音等級を
3段階程度使い分けるなんて細かい芸は、三井あたりの、線路脇とかの
タワーだとやっている例がある。
 昔管理組合に関わっていないころは
ケチだなどかっと全部遮音等級の高いサッシにすればいいじゃんとか
思っていたんだけど、私の考えが浅くって、ちゃんと考えていたわけだ
なぁ。。。
ーーー実際にマンション設計などに関わっている知り合いにきいても、
予めその場の環境の騒音レベルは計測しておいて、
室内の暗雑音レベルは、”静かになりすぎないように”コントロールするのである”
お前もちょっとはわかってきたなというご託宣だったので、
まぁ多分そうなんでしょう。
 
 金かけすぎて、かえってクレームを生むこともあるんだとすると
マンション設計は難しいですねぇ。。。まぁマンション設計は経験知
そのものだろうから、ボイドスラブが遮音の問題をクリアできずに
すたれつつあるように、誰かが人柱をするしかないんだろうけど。
 
 マンション”訪問系”ヲタク的愚痴でしたけど、まぁもっと安普請
につくればよかったといっても
現在でてきているクレームはなくならんわな。。。

   
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