誰かに請い
誰かを乞う
それを
恋という
あなたじゃなければ
だめだと
あなたがほしいと
乞う
わたしを受け止めてと
あなたのものになりたいと
請う
恋は期待の塊だ
恋する心は
さまざまな感情を呼び起こし
さまざまな表情を見せる
思わず
はっ
と目が覚めるような
時には
柔らかな陽射しのような
どしゃ降りの雨のような
心はコロコロ変わってゆく
平常心なんて
一体どこにあるのかと思うほど
一瞬一瞬が忙しい
あなたのことを
思うだけで
世界が輝き
あなたのことを
思うだけで
世界が闇に包まれ
あなたのことを
思うだけで
空を駆け抜け
あなたのことを
思うだけで
地の底に突き落とされる
そんな
一喜一憂を繰り返し
疲れ果て
ようやく
気付くのです
こんな思いになっても
変わらず
そばにいてくれる存在
どんなわたしであろうと
愛し続けてくれる存在
たとえ
わたしがわたしを見失ってしまったとしても
わたしを誰よりも愛するものが
確かにここにいる
それはわたし自身なんだ
愛に気付いた恋心は
請う
乞う
ことから
与える
ように変化してゆく
あなたのままでいいよ
わたしのままでいるよ
どんなあなたも受け止める
どんなわたしも差し出せる
請うために与えるのではなく
乞うために与えるのではなく
わたしから流れ出す
一方通行
太陽が何かを得ようとして
耀くのではないように
雨が何かを育もうとして
降るのではないように
木々が動物を休ませるために
枝を伸ばしているのではないように
生きるという営みこそ
与え続けることなのだ
あなたがいるだけで
幸せなんだ
わたしがいるだけで
幸せになるひとがいる
愛するとは
どういうものなのか
愛されるとは
どういうものなのか
恋は
愛とは何かを
知るための
入り口なのかもしれないな
わたしは
いろんな
愛を知りたい
たまには
こんな
おはなしも