全部を整理してしまうのが良い、しなければならないのかも知れないのだろうけど面倒と言うのが本音(笑)
その時々で起こった事や感じた事を書いていって、どなたかが読まれた時にあれ?前と違うって事もおもしろいかもしれないと思ってる。
無責任と言うよりは変化してるって事なんだと思う。
もし、20年前に書いてたら今とは大きく違う気がする。
医学や科学でもそうでしょ?
変わらないことも沢山あるけど、覆って正反対の事が常識として取って代わる事も少なくない。人間のする事だから。人間が存在する意味を紐解ける程に人間が熟成したらくつがえらなくなるかも…
何か疑問や悩みの有るラッパ吹きやそれ以外の方が、このブログから何か考え方を変化させたり、ヒントを得られたらそれで十分だと思う。こう言う考え方もあるのだと。
私自身が、これが正しい、絶対だと言う考え方は疑ってかかる質だし、全ての人が一つの方向だけに向くことはどの世界やどの分野でも危ない傾向だと感じるから。
さて本題。
練習をし過ぎて調子を崩す事が生徒さんの中で多い。し過ぎと言っても、単純に長い時間、時間は短くても負担の大きな事ばかりやってたり、その両方でハード(実際に負担のかかる身体)となる唇やその他の筋肉に疲労が蓄積して時にはかなり危うい状態になってる事が少なくない。
先日の中学生さん。
昼間に目一杯吹奏楽の合わせをして夜にレッスンに来たら真ん中のソ〜ドで音が下に落っこちてしまう状態に陥ってた。
突然アンブシュアの支えが崩壊する現象。
明らかに過多な練習。吹き過ぎで身体が悲鳴を上げている状態。
学生も大人も愛好家の方の場合は最初にゆっくりと音を出しつつ「自然に音が出る」事を確認し体感してもらう事を毎回必ず最初に行う。調子が悪ければその時間は長くなる。余程でない限りある程度までその調子が戻るまで時間を延長してでも体感して持ち帰ってもらう。
息を無理やり吸う、音を出す時に特別大きな音や高い音の保持で無いのにお腹から押し出したり力を入れる、唇のバズを唇を閉じる力を使って無理矢理に起こす、高い音で同じ様に必死に唇を閉じる、きついタンギングで無理矢理音にする、マウスピースを腕の力のみで押し付けまくる… などなど、どれが残っていても自然な状態を感じられるまでは先に進まない様にする。
(そう言う意味で厳しいとよく言われる 汗)
先日の中学生さんにはノータンギングで下のドからはじめてもらって、先ずは(半分以上はイメージの中の息の流れの練習になるのだけど)、息をゆっくり吸ってゆっくりたっぷりと吐く呼吸練習を挟み、その上に音が自然に乗っかる事をやって貰った。
息を吐く時には決して「お腹で押す意識や力を入れる意識を持たない事」息は自然に外に流れるし、それをサポート保持する事が大切でそれで自然に音が生まれない時はアンブシュアのシステムが上手く働いていない。逆も然り。
さて、吹くうちに良い響きに戻って来たのに真ん中の音で先に書いた様に突然アンブシュアも音も破綻してしまう。。
よくよく話を聞くと、以前にもコンクール前の集中練習で3日位同じ様な事が有ったと言う。
部ではどうしても唇や強い息で頑張ってさらに唇でそれを受け止めて音を保持してるのだろう。あるラインまで(これは人によって強さが違うのでボーダーラインは人によって違うから具体的には書けない)は何とかなるが、超えた途端に破綻する。とても危険な領域に足を入れてるのだと考える。そう伝えた。
バランスのイメージを取り戻すアプローチやその練習だけでレッスンを終える。以前より任されるパートの負担は上がっているので限界が来るのも早い筈。
また、以前に大人の方で時間が出来たからと練習しまくって上手く音が出なくなった方がいらっしゃる。
先ず出したアドバイスは3日間吹かないで下さいという事。
そして、中低音からゆっくりとした呼吸で丁寧に先を急がず少しづつ3〜7日間かけて音域を戻していく様に練習する事。
初心者には15〜30分以上は吹かない事、毎日で無くて良いから週半分くらい吹いて欲しい事を伝える。
最低限として週に2日ちゃんと集中して吹ければ少しづつだけど上達は望めるのではないかなと考える。もちろん、それでは鍛えた特別な耐久力を望むのは難しいし急激に上手くなるのも難しい。でも、毎日、吹き過ぎるよりはずっと良いと思う。現に生徒さんでそれくらいのペースでしか吹けない方も居るがちゃんと音色も音域も技術も向上してる。だから、レッスンは時間を長めにとってレッスンも吹く時間を休み時間と共にたっぷりと取る様にしている。
昨年から教えはじめ中学生になった子は上のアプローチで90分間のレッスンでも良い音を保ちつつ上のソまでバテずに吹ける。(まだ大きな音は吹かせてない)
ところで、いま筋力トレーニングを自分に行っている。(加齢による身体能力の衰えをカバーする為)
プッシュアップやストレッチ。
色々調べると毎日やるのは逆効果。
週に2回ほどが良いと書かれている事が多い。
実際にそうやってみると確かに効果がある。疲れがあるうちにさらに負荷をかけるのは逆効果。もし、毎日やるなら負荷を下げて回復出来る量で行う。
僕自身がバロックトランペットやナチュラルトランペットで高い音のフレーズや音楽をさらう時も同じ。コンサートに向けては殆ど毎日はやるのだけど、基本的に一回の負荷は小さく抑える。一回通しが基本。その一回の集中を上げて上手くいかない時は翌日に記憶を呼び戻して続きを行う。それでちゃんと本番に必要な耐久力や技術は得られる。反復練習を同じ日の中で無く、何日もかけて行うイメージ。
反復練習は確かに大切だし、出来るまでやると言うスピリットは基本だけど、負担の大きな事(例えば高い音)は反復より正確なイメージと集中力を使いそれを何ヶ月もかけて少しづつ組み立てる様に積み上げる事で無理無く確実になる。反復するうちに訳が分からなくなると言うのは逆効果。
(※イメージと書いたのは高い音を出す方法が、一般的に広まっている事と自分が上手く行き評価をしてもらえる方法〜結果を伴う〜が意識をする上で違うから。これは文字で書くのは誤解を生むし危険〜ただし考え方としてはこのブログの何処かに書いてます)
それを毎日、何日も、何週間も、何ヶ月も何年も積み重ねるうちに自然に全てはついてくる。ある時突然結果が出る事も有る。
耐久力は鍛えるだけで無くて、上手く全体のバランスを作る事で向上もする。そちらの方が大きいかも知れない。そして、耐久力と音量と音域は密接に結びついている。
これからコンクールのシーズン。
頑張って練習したのに当日が一番調子が悪いって事にならない様に、ステージの上で気持ちよくそれぞれの音楽が奏でられる事を、楽器を奏でる全ての皆さんが経験出来ますように。そして、音楽を一生の友と出来ますように。