覚書2.5 プレス 〜レッスンの中でetc. | HARUのブログ

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ラッパの事、普段の事、色々。

この前に書いた事と同じなのだけどすこし具体的なレッスンでの内容を。重複してる事は御容赦を。


最近のレッスンの中では身体の使い方=呼吸の捉え方から楽器の構え方、そしてマウスピースの唇への乗せ方、さらにそれを邪魔しないタンギングを大切にしている。

もちろん音に対するイメージや「歌う」イメージと「歌う」コントロールは外せないのだけど、そこへ入る為の準備が上手くスムーズに行けば本当に楽に音が出る。レッスンの中では身体が頭に従って自由に動ける為の段取りとも説明をする。

自然に立って殆ど足の指だけで爪先立ちをする。そこでフラフラしたり、身体の外側の筋肉で突っ張ったり、前のめりになって辛うじて立つのではなく、自然にその状態を保持できる様に少し身体の使い方を探してもらう。そのまま、床に着かないように踵を上げ下ろししてもらい(身体を上下に揺する様に)静かに踵を床に降ろす。
この状態で身体は呼吸が使える腰が起きた状態になる。実はこの状態になってる時にはもうある程度の息が吸えている。これは10年位は使ってる説明の仕方で最近出版されて読んだ本の中に同じ方法が説明されてあって驚いた。ブログにも数年前に書いてる。下記のリンクです。


本はこれ。素晴らしい本です。

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次にマウスピースを唇に乗せる。姿勢と呼吸を保持したまま自分にとって唇の所定の場所にちゃんとマウスピースが乗っかる様に。ちゃんと上下の唇のセンサーでそれを感じ取る事。
ここで最近使う説明、「映画のワンシーンの宇宙船が宇宙ステーションに一度でショックなくドッキングするのと同じくらい丁寧に乗せる事」、ただし、実際はやり直しても良い。マウスピースは唇に触る程度。(ただし、吹いた時に隙間から息は漏れない様に)

呼吸が出来てないと〜これは、身体の中に十分な息が入ってないとマウスピースを乗せる場所がきちんと選べないし、ペタっと押さえてしまうとセンサーが反応しなくなる。このセンサーは吹いている間中反応してる事が大切。ここでプレスの具合を感じ取る。

腕の力だけでコントロールするのはとても大雑把なコントロールで唇を痛める原因にもなるし、身体側からマウスピースなどに向かう力はマウスピースから受ける力に対し上手くバランスを取るためにとても大切。腕の力だけで押してしまうと常に押し負けている状態(サンドバッグ状態)になってある段階から全く機能しなくなるし、唇を痛めやすいと思う。ハイトーンが続くとコントロールを失うのはこの辺りが原因な事も多い。力の均衡を失う。

レッスンの中でここを丁寧にやると唇の反応が100%の確率で格段に上がる。吸った息が外に流れ出す、TAHと喋るだけでそれがそのまま音になる。

息のスピードを上げようとしたり、お腹から吐こうとしたりは必要無い。

ただし、身体の使い方とセットで機能する。身体が使えない=呼吸が使えないと十分なエネルギーを持った息が流れず不発に終わる。低い音も高い音も基本は同じ。

アンブシュアに少し癖を持った子も、身体の使い方と歌う事、そしてマウスピースの乗せ方でこの二年ほどで自然なアンブシュアに少しづつ近付いて来た。呼吸と相まってプレスも軽く意識が出来るようになって来たら上の方も崩れなくなって来た。
後数年で殆ど自然になるんじゃないかな。
(急激な変化をさせることは好きで無い。何故ならそれまで時間をかけて本人が作って来たものを、例え間違っていたとしても取り上げてしまうことになるし、大抵は全てが間違っている事は無い。時間をかけて作ってしまった癖は時間をかけて良き方向へ導くべきだとも思ってる。熟すには時間が要る)
アンブシュアは身体と音のイメージでその殆どは自然に機能する様に自動的に修正されると言う考え(これは自分がそうだったから)がより一層強くなった。高校一年生でブラ2の一番はちょっと荷が重くて可哀想だけど多少の無理があっても何とか乗り切るんじゃないかな。
今日は「これは対処療法だからね(根本的なアドバイスでは無い)」と幾つか乗り切る為のアイディアを渡した。意思の強い子だし、元から苦労なく吹けた子でも無い。だからこそ、苦手な所から自分の力で抜け出してバリバリに上手くなって欲しい。

さて、プレスは音が高くなれば自然に強くなる。その時に腕だけで押さえつけると唇は押され負けて常にカラータイマーが点滅した状態に陥る。
ちゃんとその力を受け止める力をみずから方から〜唇そのもので押し返す力(これは呼吸と凄く結びつく)、身体から押し返す力を自然に使えないと。

これは文字での説明は難しいし、ハイトーンが吹ける人で無いと上手く理解してもらえないかも知れない。しかし、とっても大切な部分。

前回も書いてさらっていて発見した事の続き。少し欠けていた事に気が付いたので修正したら3度ほど狙える音域が拡がった。人生で初めて鳴った音。今まで少し自分のアンブシュアのバランスとは違っていた音域も同じバランスの中にはまった。十年前は出なかった音域。

バロックラッパもコントロールが少し楽になった。