でも、有名な名手が言った通り、
「音を外したことの無い人は今までラッパを吹いた事の無い人だ。」
は本当にその通りだと思う。
パーフェクトな演奏だって云われる演奏だって、実は聴こえてないだけで小さなミスは有ったりするもの。
聴き方によってミスばかり捉えようとするとても残念な聴き方になる事もある。勿体無いことに、音楽が聴こえなくなってしまう。
さて、レッスンの中で「音を外しても、かすっても良いから自然な動きをして下さい(これは実際には具体的なアドバイスをする)」と進めるのだが、外しても良いことを自分に許可出来ない事が多々ある。
これは、泳げない人が怖がってプールの端を掴んで離れない、スケートを出来ない人が手すりを外さないのと同じで、全く前に進まない事。
失敗をするから自らのアプローチの悪さや欠点に気がつく訳で、音を外さない様に唇を固めて口で音を掴んでいるうちは自然にラッパをコントロールする事は不可能に近い。
ちゃんとソルフェージュ出来て、自然な呼吸の上で、自然に必要な筋肉が動く様になれば、音は外れなくなって来るものだ。
少なくてもレッスンでは外して良いとしてる。
なのにそこから抜け出せない。。
何故か?
質問をしていくと、
例え合奏の中で外しても誰も傷はつかない。でも、ちゃんと吹かないといけないから… 周りに迷惑がかかるから… などと
と返事が返る。
本当にそうだろうか?
(そう、指導してませんか?もし、そうなら外しなさいと言ってる事、無理やり力で制御しなさいと言ってることと同じだと気がつくべきだろう)
これをレッスンでさらに突っ込んで行く(笑)
先週虐められましたって言われた 爆
(勿論、信頼関係が出来て今必要だという時に突っ込むのですが。。)
突っ込んで行き着くのは、外した事によって周りにどう思われるか?要するに自意識に行き着く。これは、本番の緊張〜上がりでも同じ。確かに最初に書いた通り外さない方が良いのは確かなのだけど、外さない様にって思うほど身体やアンブシュアは硬くなり、響きやコントロールを失う。結果、ミスは増える。
気にする必要が無いというか、普段から自然に音を吹く事に集中してその為にやるべき事をやり、本番でも同じ様にステップを踏めば自然とミスは減る。精神論や上がらないコツを考えるよりずっと効果的。
周りを気にするのは周りに下手と思われたら、嫌われたら、認められなかったら… 色んな言葉の理由が思い当たるだろう。
でも、他人の持つ印象や考えをなんとか出来るか?
これは絶対に出来ない。
その理由は自己否定される事を避けてるだけでは無いだろうか?
そんな事は心配しなくて良い。
そう。自分が出来る最善を尽くす事しか方法は無い。自然に吹けなければミスも増える。なら自然に吹けることが先。手すりから手を放すことが第一歩となる。
人の言葉をある程度スルーする強さ、人が発してもいない言葉に対して恐る事を止める強さある程度は必要になる。これは自らが身につけることでは有るけど、教師はそれを助けて導いてあげる事が出来る。 そこに身体の使い方も考え方も無い。感覚的に自らと他人は違うものだと理解する事が大切。人はそれぞれ違って当たり前で人の事はコントロール不可能。
自らは自分のできる事を、やるべき事、目指す事をやる事が第一歩であり他人の思考に邪魔されるべきでは無い。
自らが出来ることを順を追ってやるに尽きる。それをやらない事に理由をつけて無いだろうか?
そこが出来て自然に楽器がコントロール出来て、初めてアンサンブルを楽しみ、本当の意味で時間を共有し、共鳴し合うアンサンブルも出来る。
音を外すな!
特に子供に対しては最悪なアドバイスの一つだと思う。
それを言うくらいなら外さない方法を伝授してあげて欲しいかな。
絶対に外さない方法が有るなら僕が知りたいけど。
誤解はして欲しく無いが、外す事を勧めては居ないし、ミスを極力減らす努力も必要で自分も日々研鑽してる。その為にどうするべきか?て意見。