コンディション | HARUのブログ

HARUのブログ

ラッパの事、普段の事、色々。

本当に上手い奏者は何時でも何でも演奏出来るだけの基礎とテクニック、メンタル、そしてセンスを備えて居るのだと思う。

しかし、自分にはそこまでのものは到底無く、求められた役割とそれをほんの少し上まわって裏切る様に準備をして臨む事が必要になる。毎回、期待より上に裏切らないと、、進化しないと生き残っていけない。

ちなみに名人をよくあの人は神だからとか言い方をするけどあまり好きで無い。。
神様だったら出来るのは当たり前で… 
同じ人として届かない程の事をやって見せるだけの力とそれを得る為に感覚を最大限に使って、努力をし、体現して居るから凄いと思うし人として心から尊敬する。


若い時は沢山練習すればなんでも何とかなると思ったし、何とかしてやるって思って居た。

今は、量より質。
どれだけ集中して感じてステージの上で自然体でベストを尽くせる様に準備をするか。技術、知識、楽器、それらは全てその瞬間に音楽をする為のツールだと思って居る。

年齢を重ねると体力、特に回復力って奴が落ちる。
20代の頃はいくら吹いても次の日には回復したのが、40歳手前位から酷くダメージが残る様になった。実はある特定の日を境に酷くなった。克明に覚えている。このまま吹けなくなるのでは?って思ったから。奏法をより柔軟に考える様になったのはそこからかもしれない。

ただ繰り返す練習は密度を薄くすると思ってる。一日の内に100回繰り返すより、十日間10回やる方が効果が有るし、一日一回だけ、全てを集中して100日間やる方がシビアな場面には有効だと感じてる。

実際に自分にとって重い本番の為には直前で無く、場合によっては一年前から一日一回の練習をして来た。通す時は外界を一切シャットアウト。それが出来て居れば本番に雑音が入っても集中は切れ無い。そして、そう云う本番は先ずこけ無い。多少の傷は有ろうともちゃんと型になり伝わる物を残せる。一回で終わる為には始める前に頭の中で全てを準備しておかないとならない。

ソロのコンサート、また、自分が声をかけてもらうバロックの分野の中の難曲などに向けては毎日一回コンサートのつもりで通す事が一番大事な練習になる。
それは音出しの後、最初に行い、綻んだ所を出来るだけ少ない回数で組み立て直す。
翌日、同じ様に最初に通した時に出来ればそこはクリアしたことになる。体力的、精神的にタフな曲は本番前には通しもしなくなったりする。バネのエネルギーを貯める様に。

ツアー中などは身体の疲れを考えて過度の練習はしない。ひまな時~幸い、不幸、両方の意味で存在するのだが(笑)~に負荷をかける練習をしておく。

これでペースが作れる事を覚えると、不思議と多様な本番が入っても、急にスクランブル出動しても自らのペースが乱れ無い。慌ててる時は上手くいか無い。

難曲はしばらく前に練習をして暫く寝かせると効果的。

結局、良いイメージがすっと引き出せて保てる様に準備してるのだと思う。

どれだけの人に当てはまるかは分から無いが、これが今の自分のやり方。若い時の自分に教えてやりたい。

{0774DC93-E838-4C01-90D2-EB86A315CF6A:01}