一人の兵士の死から、
1時間、2時間、と時間をさかのぼり
生まれるまでの軌跡を辿ったお話。
死者〇〇名とひとくくりに表されてしまう
戦争の犠牲者のその一人一人に、
その人だけの人生がちゃんとあったのだと
考えさせられる一冊・・・・なのですが、
私はまた別の視点から
この話、現在進行形でこの国でも すでに似たようなことが起こっているんじゃないの?
と怖くなりました・・・
【戦争で死んだ兵士のこと】
3日前に召集された。
それまでは自分が兵士であることを
忘れていた。
4年前に父の会社が倒産し、
奨学金を得るために士官学校に入った・・・
誰もが
戦争が起こるはずないって思ってて
戦地に行くことなんて
あるはずないと思ってて
兵士になんてならないよ
そんな危ないこと
好き好んでやるわけないよ
戦争はいけないこと。
みんな知ってる。
みんなわかってる。
けれど
わかっているけど
知らず知らずの間に
その歯車に乗せられてはいないだろうか?
自分には関係のないことだろうと思いながら
大きな渦の流れに入り込んではいないだろうか?
何気なく友人と遊んだり
恋人と食事をしたり
家族と旅行に行ったり
程よく余暇を楽しむことに誤魔化されながら
戦争への準備をさせられてはいないだろうか?
戦争体験者の方はみんな口を揃えて
『気がついたら戦争が始まっていた』
と言いいます。
そして、いまのこの国の状況は
その戦争直前の雰囲気と
とてもよく似ているとも言っています。
数年前にちょっと話題になった
こんな詩がありました。
まいにち満員電車に乗って
人を人とも思わなくなった
インターネットの
人を人とも思わなくなった
インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも思わなくなった
虐待死や自殺のひんぱつに
命を命と思わなくなった
じゅんび
心を心とも思わなくなった
虐待死や自殺のひんぱつに
命を命と思わなくなった
じゅんび
は
ばっちりだ
戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
宮尾節子 「戦争がはじまる」より
気がついたときにはもう遅い、
ということにならないように。
自分のひとつひとつの行動が、選択が、
何に、どこにつながっているのか
表面的なことに惑わされずに
しっかりと見定めて、責任を持とう。
戦争はいつだって
何食わぬ顔で近づいて来るんだ。
誰も、戦争に行かせるために
わが子を育てたわけじゃない。
戦士した兵士の一人一人は
誰かの愛おしいわが子なんだ。
だから絶対に、どこでだって、
戦争なんてしちゃいけないんだ。
母として、そう思わずにはいられない
最後のページ。
ぜひ手にとって読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました
《今後の予定》
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