NHK戦争特番を観て。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 これは本当に今になったから言えることなのだろうか? 普通に考えて当時でも、アメリカに戦争を仕掛けても勝てる可能性など万に一つもないことくらい認識出来なかったのだろうか。認識出来ていなかったら阿呆だ。もしも認識出来ていて、それでも破滅に至る宣戦布告の真珠湾攻撃やらかしたのなら、もっと阿呆。ど阿呆だ。
 何れにせよ当時の日本の上層部は阿呆も阿呆。どいつもこいつも無能なくせに尊厳ばかり勇ましい、皆ど阿呆ばかりだった。百歩譲っても、こりゃ駄目だと悟った時点で、さっさと降伏しておけよ。もっと言えばそれ以前に中国やロシアと戦争をしたのも無謀だったのだ。仮に一時的に勝てたとしても、国土の基礎体力を考えれば、長い目で見て何れ破綻すると認識するべきだった。
 とどのつまり薩長が中心となった明治維新は全てこれ間違いだった。録画してあったNHK戦争特番を観て、そんな感慨が怒りと共にふつふつ湧いた。
 改めて心から思う、明治維新以降の日本政府は敗戦に至るまで徹頭徹尾クソだった……と。
 最後の最後まで生きようとするのが、人に限らず、生きとし生きるものすべての最も崇高な姿だ。特に人間は地球上の生き物の中でも一番知能を持つ存在。それ故に最も死を濃密に意識する存在でもある。意識し過ぎて、あろうことか自らを殺すという選択をも手に入れてしまった程に。明確に死を意識して自殺を遂げるのは人間くらいのものだろう。
 だからこそ尚更、最後まで生きようと足掻く姿が崇高なのだ。懸命で崇高なその意思を踏みにじる存在を決して許さない。当たり前だが若ければ若いほど、過剰な生命力は、もっと生きたい! もっと人生を謳歌したい!……と切に願うのだ。例え上手く生きられなくても、それでも命を明日へ繋げようと今を堪えるのだ。
 あまた若者のそんな思いを踏みにじり、「御国のために死ね!」と先の戦争を始めた当時の上層部。知れば知るほど腹わたが煮えくり返る。どれだけ歳月が流れても決して風化させてはならない醜悪な権力の構造がここにある。
 欧米列強からアジアを守るための聖戦だった? ふざけるな! 自分たちも欲得にまみれて侵略を繰り返していただけのくせに。
 今だに大東亜共栄圏の名のもと、先の戦争を肯定している連中には「面を見るのも胸くそ悪い!」と軽蔑の念しか湧かない。