人生の意義とは? | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 先日、久しぶりに会った友人と差しで飲んだ。
 場所は友人が見つけてきてくれた店。僕は初めて入ったが、結構これが良い。
 何が良いって値段だ。
 時間制限二時間で飲み放題食べ放題プラン。これがクーポン割り引きも込みだったけれど一人2300円。
 一体この安さは何なのだ? 
 比べるのも何だが七月の終わりに別メンバーと行ったビアガーデンは一人4500円だった。
 実際、飲み放題食べ放題3000円なら、それでも安いが特に珍しくはない。ネットで調べて見つけようと思えば見つけられる。しかし2300円の飲み放題食べ放題プランは流石に珍しい。
 しかもメニューもサービスも良い。
 この値段だと通常なら炭水化物とか揚げ物系とか、要は低コストで直ぐ満腹感を与えるメニューがメインとなる筈。あるいは時間稼ぎのためなのか注文してもなかなか料理を運んでこないとか。今までも安い店ではその手の、かなりストレスが溜まる駆け引きや嫌がらせを受けるのが常だった。しかし今回この店は初老の胃にも優しいあっさり系メニューも充実。漬物の類の一品料理も有り難ければサラダ類のメニューも豊富。もちろん揚げ物系や炭水化物系も含めてメニュー自体が多いのだ。アルコール類も、この手の飲み放題の安いプランは、その代わりビールは注文できないパターンが最近は多くなってきている。しかし今回はビールも飲めて、基本なんでも揃っていた。
 そして嬉しかったのが、せっかくの飲み会の気分を害する駆け引きや嫌がらせ一切なし。注文後、どの料理も皆、すぐに運んできてくれた。
 という次第で値段を気にすることもなく大いに飲み、かつ食べ、久しぶりに会う友人との会話も弾み、世間が夏休みに入っている一日を僕も良い感じで過ごせた。貧乏なおじさん達にもこれだけ優しい店は他に類を見ない。場所が金山の駅前で、僕の生活範囲からは少し外れてはいる。それでも今後の利用率が高まりそうだ。
 貧乏人に、しかも老耄の貧乏人に優しい店よ、今後も永遠なれ!
 まぁそれはそれとして、今回差しで飲んだ相手には一つ言いたいことはあった。
 あのさぁ……既に飲み放題食べ放題の予約が入っているその直前にラーメン屋に入り、大盛りラーメン完食してくるって、どういうこと? お前は飲み会を、いや、人生そのものを舐めているのか?……と。
 会話は弾むものの、妙に相手の飲食のペースが遅い。せっかくの食べ放題飲み放題なのに僕の三分の一もペースが進んでいない。がたいは僕よりでかい相手だ。おかしいと思っていたら、「実は……」と告白されたのだ。「さっきラーメン食べてしまった……」と。
 苦笑まじりに受け止めて、面と向かっては僕も何も言わなかった。しかし内心はその告白に対して、「ばーか、ばーか、ばーか、このどたーけ!」の連呼だったよ。
 僕はこの日、夜勤明け。普段の夜勤明けは帰宅後二時間ほど仮眠を取る。それを今回は取りやめて、その代わりエアコンも点けない熱のこもる部屋で入念なストレッチ運動を実施。四時からの約束に備えて、たっぷり汗を掻いてきたのだ。もちろん昼食も軽いおやつ程度に控えてだ。
 運動で掻いた汗。その後の入浴。既にこの時点で喉はからから。全身が渇き切った状態だ。それでも水分補給は極力控えめに、約束の場所へ向かうため再び外出すればこの日は猛暑。渇き切った身体に炎天からの陽射しの強さも、ねっとり湿度がまとわりつくような空気の重さも半端ない。それこそ熱中症で倒れかねない。最悪は命の危険も伴う、そんな苦行僧のような前段階踏んだからこそ、全身に沁み渡る駆けつけ三杯のビールの美味さよ! 更には飯の満足度に繋がるのだ。これこそが飲み会への心構え。更に言えば人生の意義だ。
 この飲み会の心構えと人生の意義を蔑ろにして、お前は直前にラーメン食べただと?
 本当にお前は、「ばーか、ばーか、ばーか、このどたーけ!」だよ。
 僕は飲み会に関わらず、普段の自宅での一人の晩酌も、基本このビールの美味さ、更には飯の満足度に辿り着けるよう日々を調整しているのだ。
 日常を生きる心構え。人生の意義。僕にとってそれはとどのつまりこれだ。
 そんな僕から言わせれば、飲み会の直前、しかも食べ放題飲み放題プランの直前にラーメン食べる奴は、「ばーか、ばーか、ばーか、このどたーけ!」以外の何者でもないのだ。