夢にK子が現れた。
僕がいま懸命に馴染もうとしている職場にK子が訪れた。仕事の関係で来る必要があったと僕に語るK子は、確かにK子だけれど、でも実際のK子よりも十歳以上印象が若く見え、何より垢抜けて美しく見えた。
こいつに無様な醜態を曝す姿を見られたくない……
ばったり出くわした階段の踊り場での立ち話もそこそこ、僕は逃げるように地下階段を駆けおりてゆく。さっきK子に見せた引きつった笑みの名残が頬に強張ったままなのを自分でも感じつつね。
処で果てしなく続くこの地下階段の先に僕の仕事の一体なにが待つというのだろう?……
地下の階段を下りきった場所にある扉を開けると、そこにはガード下のあの道化師が嘲ら笑いを浮かべて僕を待っていた。
あぁ結局ここに僕は戻っちまう運命だったのか……
という流れ方で夢から目覚めた。心が相当弱気になっているな……と思うしかない。