大河ドラマ『真田丸』(第二回)。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 面白い。第二回目を観た時点で、昨年の大河ドラマとは比べ物にならないくらい面白い事が判明。演出とか脚本次第で、ここまで生き生き物語が躍動するものなのだなぁ……と感心頻り。どうやら今回は今年一年を通して楽しめそうだ。
 ちょっとWikipediaで調べてみたのだけど、今回の武田家滅亡の時点で真田信繋は十五歳くらい。こればかりは大河ドラマの宿命ゆえ仕方がないのだけれど、本当は堺雅人が演じるには些か無理がある。しかし腰のまだ据わっていない少年性を表情や仕草で巧みに演じていると思う。もちろん三谷幸喜が十五歳現在の信繋に喋らせる台詞の効果もあるのだろうけれど、何れにせよ、右も左もわからぬ新たな職場で心落ち着かず無様に狼狽える自分の心情を重ねるには丁度よい。この先どうなるか……回を重ねる事に新たな職場で成長している自分を重ねる事が出来るのか、或は……
 いや、先の事は考えまい。いまは今日の一日を懸命に生きる。その繰り返しを積み重ねてゆくしかない。
 幾つも仕込まれた笑いの中で、それ故よけい哀感が際立った武田勝頼の自害が今回のハイライト。誰かがTwitterで指摘していたけれど、自害しようとする勝頼の前に現れた鎧兜姿の信玄は、これって完全にダースベイダーを意識しているのだろうな。つまりスターウォーズへのオマージュを通して、偉大すぎる父親を持った息子の心理的葛藤と鬱屈を表現しようとしたのだろう。
 まぁ今の僕は現在の職場で責任者の立場を引き継ぐ事になる相手があまりにも偉大すぎるので、そういう意味で勝頼にシンパシーを抱いてしまう。
 しかし今さら自分の器を自信に満ちた颯爽とした彼と比較して嘆いてみても仕方がない。僕は僕なりに頑張ってゆくしかない。その結果が駄目だったら、「これも天命」と今回の勝頼みたいに潔く諦めるのみ。そう、別に命まで取られる訳じゃないのだから。