みかんの愛。 みどりいろのでべそがないほうの側ぷすり突っ込む人差し指の心地よさ ぱらりぱらぱら皮むけば ぎっしり実つまる雪の夜の温き部屋。 わびしい一人暮らしも 心の持ちようでまた乙なものなり……と 幸のひとかけらを頬張れば 僕の救済の神は おれんじいろの球体の中にも宿っていた。