職場でちょっと切ない出来事があって、その帰り道、些か疲れた心にふと浮かんだ戯れ歌一つ、
でこぼこのでこにぶつかりぼこ転ぶでこぼこなる我でこぼこの道。
あまりセンスが良いとも思えぬ言葉遊びに過ぎないけれど、でも実感として、この疲れ果てた心にふと浮かんだ戯れ歌が、僕の人生をそこそこ言い表してくれているような気がしないでもない。大して波乱にとんでいる訳でもないのに、肝心な処で凸がそそりたち、ここぞという処で凹に蹴躓いて、気づけば自分自身が歪な異物と化してしまっている。とっくに道なんて見失ってしまった。
まさに途方に暮れるばかりの、でこぼこの我の道なき道である。
どうせ方角も辿り着くべき場所も見失った道なき道ならば、せめて一緒に泥にまみれてくれる、あなたが傍にいて欲しかった。
という次第で、ボ・ガンボス『泥んこ道を二人』。
https://www.youtube.com/watch?v=L6FXR5HatbU&feature=player_detailpage
確信に満ちた他者への信頼を無邪気に歌に託せるどんとのこの辺の感性って、清志郎と相通じるものがあるような気がする。だけどボ・ガンボスって、純粋に音楽的な意味で何が凄いって、やっぱりドラムだと思う。これだけタイトでブレのないドラムを一糸乱れず叩き続ける事が出来るプレイヤーって早々いない。で、最近になって気づいたけれど、僕が好きになるバンドって、結構ドラムが際立って凄いバンドが多い。ストーン・ローゼス然り、ザ・フー然りね。
どうやら僕はギターやベースより、打楽器が紡ぐグルーヴに惹かれる傾向があるみたいだ。
そう言えば、十代の頃に聴かず嫌いで馬鹿にしていたレッド・ツェッペリンを、ここ数年よく聴いているのも、やっぱりジョン・ボーナムのドラムの音に耳を傾けているのかも知れない。