朝から雨が降っている。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 朝から雨が降っている。
 貴女との接点が
 完全に切れてしまったこの世の中に
 哀しい雨が降りしきる。
 やがて、
 この世の雨は降り止むだろう。
 雲の合間に光りも注すのだろう。
 だけど僕は
 もう晴れ間を求めない。
 貴女を失ったこの先の僕の心は
 陰鬱な雲がどこまでも
 重苦しく垂れ込めていればいい。
 世界がどれだけ光り輝こうとも
 色鮮やかな花々が咲き乱れようとも
 僕は灰色の
 雨降る景色のみ生きてゆけばいい。
 生まれて来たのが間違いの、
 生きるに値しないこの生に、
 光りを注いでくれる可能性があるのは貴女だけでした。
 総天然色の美しい場所へ導いてくれる筈の、
 僕の唯一の希望が貴女でした。

 朝から雨が降っている。
 せっかくの休日に
 朝から雨が降りしきる。
 喜びも 生き甲斐も
 なにもない休日に
 降り止まない雨は相応しく、
 朝から雨が降っている。