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6月6日のグランドオープンが近付く東京ディズニーシーの新テーマポート、ファンタジースプリングス。
先日はグランドオープン100日前の節目に東京ディズニーリゾートの運営を手掛けるオリエンタルランドからたくさんの追加情報が公表されたことをご紹介しました。
新エリアについても少しずつ記事を書いていければ良いなと思い、今日は一つ英語ネタで書かせていただきます。
ファンタジースプリングスは、大きく分けてディズニー映画『ピーター・パン』、『アナと雪の女王』、『塔の上のラプンツェル』をテーマとした3つのエリアから構成されます。
それぞれのエリアにテーマ性のあるレストランもオープンするようですが、その中の一つ、ピーター・パンのエリアには「ルックアウト・クックアウト」というレストランが開業予定。
約200席のカウンターサービスのレストランですが、ネバーランドに漂着した難破船を改装してできたロストキッズ達の隠れ家という設定だそうで、どことなくスイスファミリー・ツリーハウスを思わせる設定とイメージですね。
(画像はオリエンタルランドのプレスリリース資料より抜粋)
さて、この「ルックアウト・クックアウト」(Lookout Cookout)というお店の名前、「見張り台」という意味の「ルックアウト」(lookout)とバーベキューのように「野外で料理を作ること」を指す「クックアウト」(cookout)が韻を踏んだ軽妙な響きがします。
ところが、この言葉、実はピーター・パンには通じないかも知れません
というのも、「見張り台」の方の「ルックアウト」は古くからある英語なんですが、「屋外で料理を作ること」という意味の「クックアウト」の方は、ごく現代的な英語なんです。
メリアム・ウェブスターの英語辞書で2つの言葉を引いてみましょう。
まずは"lookout"から。
「単語の歴史」(Word History)の項目を見ると、「見張り役」という最初の意味の用法は17世紀中頃の1662年には既に確認されることが分かります。
続いて"cookout"です。
こちらの方は、最初の用例が確認できるのは何と1941年
ピーター・パンはスコットランドの作家ジェームス・マシュー・バリー(Sir James Matthew Barrie, 1860-1937)が1902年に著した『小さな白い鳥』(The Little White Bird)に登場するキャラクターですから、「ルックアウト」は分かっても「クックアウト」は理解できないのではないかと思います。
そういえば、ディズニーランドパリにある西部開拓時代をテーマとするテーマエリアのフロンティアランドには、「カウボーイ・クックアウト・バーベキュー」というレストランがあります。
フロンティアランドは19世紀後半を中心とする時代設定のエリアですから、カウボーイたちにも「クックアウト」は理解できない可能性がありますね