皆さんこんにちは
一昨日のブログで、パーク再開後のディズニーランドパリで、ライオンキングのミュージカルショーが開演したことをご紹介しました。
ショーの開演に合わせて、シアターの隣にあるレストラン、カウボーイ・クックアウト・バーベキュー(Cowboy Cookout Barbeque)も営業再開しましたので、早速こちらもご紹介したいと思います
このレストランは名前のとおり、食べ応えのあるバーベキュー料理を提供しています。
この巨大な木造の納屋風の建物がレストランです。
店内も本当に開拓時代のアメリカ西部の農家の納屋の中のような雰囲気。
なぜこのような農家の納屋のようなレストランになっているかと言うと、そのヒントはこのレストランの場所にあると思います。
ライオンキングのミュージカルが上演されているシアターも、このカウボーイ・クックアウト・バーベキューも、ともにフロンティアランドの一番端にあります。
以前、フロンティアランドのバックストーリーについて書いた記事の中で、ビッグサンダーマウンテンで金鉱が発見される以前は、フロンティアランドはのどかな農村地帯であったことをご紹介しました。
1853年の金鉱の発見と、それに続く急速な人口流入(ゴールドラッシュ)によって、サンダーメサは新興都市へと急成長を遂げたので、おそらく農業を続けた人々は、町のはずれに住んでいたのだと思われます。
結局、金鉱の開発がビッグサンダーマウンテンに宿る精霊の怒りを呼び、1860年の大地震によりビッグサンダー・マイニング・カンパニーの創立者のレーベンスウッド夫妻が事故死すると、サンダーメサの町は急速に衰退し、元の農家のコミュニティだけが残されたのだとか。
そして、再びのどかな農村コミュニティとなったサンダーメサの人々が、自宅から椅子やテーブルを持ち寄ってパーティを開く会場となったのが、このカウボーイ・クックアウト・バーベキューなんだそうです。
そんな地元農家の人々のパーティ会場で振る舞われるバーベキュー料理は、こういった内容になっております。
せっかくなので、一番ボリュームのある、「シェリフのバーベキューセット」(Le BBQ du Sherif)を食べてみましょう
ちなみに同じフロンティアランドにある「シルバースパー・ステーキハウス」にも「シェリフ」という名前のコースがありました。
この「シェリフ」というのは「保安官」のことです。
「保安官」と言うと、何か時代がかった西部劇の登場人物のように聞こえますが、アメリカでは現在も、れっきとした現役の公安官です。
「ポリス=警察」とどう違うのかと言うと、映画なんかで NYPD(New York Police Department, ニューヨーク警察局)とかよく聞くと思いますが、アメリカの警察は、市が組織する機関です。したがって、LAPDはロサンゼルス市警、SFPDはサンフランシスコ市警ですね。
これに対し、保安官というのは郡(county)の公安機関の職員です。したがって、郡の中でも町村部の治安を守る仕事を担当しているのが、保安官だと思っていただければ分かりやすいかと思います。
話がやや横道に反れましたが、こちらがそのシェリフ・セット↓↓
セットの内容は、
・ スペアリブ・バーベキューソース、スモークチキン、ポークソーセージのグリル
に、
・ サラダ又はフレンチフライ
・ ピーカンパイ又はフルーツボウル
・ 冷たい飲み物
という充実した内容
これでお値段16.99ユーロ(約2,100円)ですが、味の方もしっかりしているので、結構お得感があると思います
純粋に食べ物だけで勝負するなら、先日ショーレストランとしてご紹介した「ラッキーナゲット・サルーン」のテクスメクス・コースも、スペアリブ・バーベキューソース+スモークチキン+ポークソーセージ・グリルの3点セットでしたが、こちらのカウボーイ・クックアウトの方が優れていると思います
特に推したいのは、スペアリブのバーベキューソースで、ラッキーナゲット・サルーンは甘さの強いソースでしたが、カウボーイ・クックアウトのはスパイスが効いていて、ほんのりピリ辛。スペアリブの脂の甘みと程よくマッチして、最後まで飽きが来ない味わいです。
スモークチキンも、あばら骨が付いていたので、リブに近い部分でしょうか。ラッキーナゲット・サルーンでいただいた脚の部分と比べると、ナイフとフォークで食べやすい感じがしました。
欲を言えば、デザートのピーカンパイは、もう少し香ばしさが欲しいところなんですが、これは及第点と言って良いと思います。
このように、バーベキュー料理の味も十分に満足の行くカウボーイ・クックアウトですが、見落としてはならないもう一つの魅力は、バックストーリーに忠実な設営です。
このテーブルと椅子の写真を見て、何か気付くことはありませんか
テーブルや椅子の形が全く不揃いですよね。
長テーブルもあれば、二人掛け用の小さなテーブルがあったり、長椅子の反対側には一人掛けの椅子が並べられていたり、椅子の背もたれの形状がバラバラだったり…
バックストーリーを思い出してください。
ここは、サンダーメサの農村コミュニティの人々が、自宅からテーブルや椅子を持ち寄って集まる場所です。
各自の家にあるテーブルや椅子なんだから、形もバラバラ、ということを表現するために、意図的にこのような設営にしているんだと思います
「神は細部に宿る」と言いますが、こういう細かい所へのこだわりによって、テーマパークのストーリー性を際立たせる配慮には、本当に頭が下がります。
美味しいバーベキュー料理も、ディズニーのパーク作りの妙も楽しめる、まさに一石二鳥のレストランだと思います