梅田芸術劇場へ
宝塚歌劇団 月組公演
ミュージカル・ロマンティコ
~希望という名の男~
(作・演出・振付/謝 珠栄)
を見に行きました。(解説はこちら)
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主な配役
ロレンシオ/アルバレス侯爵 鳳月 杏
パトリシア 彩 みちる
ゴメス 輝月 ゆうま
マグダレーナ 白雪 さち花
マルコス 千海 華蘭
アロンソ 蓮 つかさ
ミゲル 佳城 葵
ブルーノ 英 かおと
アマンダ 桃歌 雪
カルメン 妃純 凛
フランシスコ 彩音 星凪
マラバ 花時 舞香
セシリオ 彩海 せら
グラシェラ 天愛 るりあ
エステル 蘭世 惠翔
ロメーロ大佐 柊木 絢斗
モンテス中尉 大楠 てら
ラファエル 瑠皇 りあ
ベニータ きよら 羽龍
セサル 真弘 蓮
フリオ 和真 あさ乃
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大入り満員。
すごい!
感想です。
※ネタバレはしたくないので、宝塚歌劇団のホームページに書かれているあらすじ以上のことはあまり書きません(書けません)。ご了承ください。
全体的に芝居、歌、ダンスのバランスが取れた構成で、結果、「ジェンヌさんって本当に何でもできるんだなあ」と目をみはることになったのでした。
リズム&ブルースのことを R&B と言いますが、今回のこの舞台、ELPIDIOは
N&C
熱量&コント。
死と隣り合わせの深刻な部分と前近代的な素朴さに満ちた滑稽な部分が混ざり合っているところが、いかにもスペインっぽかった。
そう言えば『ドン・キホーテ』を書いたセルバンテス(1547-1616)もスペイン人だったな、と連想させるものがありました。
鳳月杏さん、彩みちるさん、彩海せらさん。
専科の輝月ゆうまさん。
千海華蘭さんに白雪さち花さん。
蓮つかささん。
実にいい味出していました。
笑わせてもらった。
が。
今回、一つ、気になったところがありました。
酒場「Camino」の酔っ払い連の演技。
あんな熱量の高い酔っ払い、スポーツ大会の開会式や入社式の宣誓みたいな話し方をする酔っ払い、見たことないです。
実際に酔っ払った(ほろ酔い以上)状態で話してみたら分かると思います。
おそらくジェンヌさんは足下が覚束なくなるほど酔っ払うことがない、いや、そもそもお酒を飲まれないのかも……ものすごくストイック、ものすごく真面目そうです……「酒を飲む暇があったらダンスの振り付けの復習をしよう、台本を読み込んで役作りしよう」という感じ。
ある意味タカラヅカっぽいのかもしれないし(基本腹式呼吸、みたいな)、酒場と見せかけて実は革命派のアジト、客と見せかけて実は憂国の志士という設定ならありかもと思ったりもするのですが、やっぱり個人的には、どこかだらしなく脱力しているというのか、もろきゅうや板わさなどをつまみに会社のグチをこぼしながらお酒をだらだら飲んでいるサラリーマンみたいな(「日本酒が出てきた、いやあ、こうなったらもうダメですねえ」みたいな)味があっても良かったかなと思うのです。労働者だから。
この「Camino」の酔っ払いの、特に時代背景を説明するあたりのところの演技については、観たひとの感想を聞いてみたいところです。
「お前は芸術を分かっていない」
「お前は演劇を分かっていない」
「お前はタカラヅカを分かっていない」
「お前は終わっている。そこへ座れ」
とグリーンルーム(生徒指導室)で説教されて結局半日出られなかった、なんてことになったりして。
気になったのは、そこだけです。
あとは「さすが『芝居の月組』!」とひきこまれる舞台でした。
ありがとうございました。
世の中をよくするために自分は何ができるのか、何のために生きるのか、この機会に考えてみたいです。
リアルタイムの出来事のように感じられたのは、月組のみなさんの演技が素晴らしかったからというのはもちろんとして、今の日本が似たような状況に置かれているからかもしれません。
20世紀初めのスペインと21世紀の日本にそれほど違いがないことに驚かされたのも事実です。
謝 珠栄さんは、今の日本を想定しながら脚本を書かれたのではないかと思いました。
最後に、梅田芸術劇場の画像をいろいろ。
おまけ 阪急梅田駅で、こんなのがありました。