神戸阪急@神戸三宮の地下1階
「日本の銘菓催」コーナーで、
8/2㈪までの期間限定で出店している、
東京・亀戸天神の老舗和菓子屋
「船橋屋」の「くず餅」
を買いました。
あらためて
神戸阪急での期間限定の催事出店情報を。
ーー
今だけ、ここだけ、美味さがし
東京「船橋屋」
◎7月27日(水)~8月2日(火)
◎本館地階 銘菓日本の味「銘菓催」
※「銘菓催」とは「銘菓日本の味」内に設けられた週替わりで日本の銘菓を紹介するコーナーです。
多くの参拝客で賑わう亀戸天神のほど近くに生まれた「船橋屋」をご紹介いたします。
初代の勘助が故郷の下総名産の小麦粉を用いて作った“くず餅”はお店の看板商品。庶民の味、文化として今日まで二百余年受け継がれ、愛され続けている美味しさをぜひご堪能ください。
上質な小麦でんぷんを天然水で15ヵ月発酵精製し、ひとつひとつ丁寧に蒸し上げた“くず餅”。秘伝の黒糖蜜と、独自焙煎の香り高いきな粉との調和の妙をお楽しみください。
くず餅 小箱(24切入り、1~2名様用)841円
ーー
ーーーーー
芥川龍之介のエッセイ『本所両国』中の「天神様」に
船橋屋のくず餅のことが書かれています。
(略)
僕等は、「天神様」の外へ出た後、「船橋屋(ふなばしや)」の葛餅(くずもち)を食ふ相談をした。が、本所(ほんじよ)に疎遠(そゑん)になつた僕には「船橋屋」も容易に見つからなかつた。僕はやむを得ず荒物屋(あらものや)の前に水を撒(ま)いてゐたお上(かみ)さんに田舎(ゐなか)者らしい質問をした。それから花柳病(くわりうびやう)の医院の前をやつと又船橋屋へ辿(たど)り着いた。船橋屋も家は新(あら)たになつたものの、大体は昔に変つてゐない。僕等は縁台(えんだい)に腰をおろし、鴨居(かもゐ)の上にかけ並べた日本アルプスの写真を見ながら、葛餅を一盆(ひとぼん)づつ食ふことにした。
「安いものですね、十銭とは。」
O君は大いに感心してゐた。しかし僕の中学時代には葛餅も一盆(ひとぼん)三銭だつた。僕は僕の友だちと一しよに江東梅園(かうとうばいゑん)などへ遠足に行つた帰りに度たびこの葛餅を食つたものである。江東梅園も臥龍梅(ぐわりゆうばい)と一しよに滅びてしまつてゐるであらう。水田(すゐでん)や榛(はん)の木のあつた亀井戸(かめゐど)はかう云ふ梅の名所だつた為に南画(なんぐわ)らしい趣(おもむき)を具へてゐた。が、今は船橋屋の前も広い新開の往来(わうらい)の向うに二階建の商店が何軒も軒を並べてゐる。……
ーーーーー