「難聴に効くツボ」は本当に難聴に効くのか?(前編) 〜はりねずみのハリー鍼灸院の見解〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

鍼灸のツボ(経穴)についてのお話です。

 

難聴に効くツボ。

特に突発性難聴の鍼灸治療について、思うところを書きます。

 

東洋医学の考え方でいくと、

耳は五行の「水」「腎」に対応します。

「腎」の「気」が虚している(エネルギーがうまく行き渡っていない)ので

それを補う治療を行います。

あわせて、「金」→「肺」「大腸」の「気」も補います。

 

また、耳の周りにツボがありますので、

そこを刺激して耳の周りの気を巡らせます。

 

代表的なツボとして

 

「耳門」じもん

「聴宮」ちょうきゅう

「聴会」ちょうえ

「エイ風」えいふう

 

などがあります。(他にもあります)

 

問題は、

 

本当に突発性難聴に効くのか?

これらのツボに鍼を打つことで本当に突発性難聴が治るのか?

 

ということ。

 

はりねずみのハリー鍼灸院の見解としては

 

●鍼を打つことは打つが、そのこと自体で(突発性)難聴が改善するとは考えていない

●基本は西洋医学の治療を受け、鍼灸は補助的に使ってほしい(補完医療の一つとして利用してほしい)

 

です。

理由は簡単で、統計的に言って「効くと言えそう」と言えるレベルの研究が出ていないから。

やってみないと分からないところが多分にあります。

 

それでは、

 

なぜわたしは「効かない」と思っているのにもかかわらず、耳の周りのツボに鍼を打つのか?

 

次回はこれについて書きます。

 

もし、この記事を読まれている方が鍼灸の専門学校生の方なら、あわせて

「なぜ、古代中国の人は『臨床的には効かないだろうな』と思われるツボも消さずに残したのか?」

という問題についても考えてみてほしいです。

「本当に効くと信じていたし、実際効いたこともあったから」という解答も尊重されるべきなのでしょうが・・・

 

★「やってみないと分からないレベルで、リスクやコストが少ないならやってみるべき」

(いわゆる「ダメもと」)

という考え方もある程度は支持しますが、それが最大の理由ではありません。

 

 

「難聴に効くツボ」は本当に難聴に効くのか?(後編) はこちら