鍼灸のツボ(経穴)についてのお話です。
難聴に効くツボ。
特に突発性難聴の鍼灸治療について、思うところを書きます。
東洋医学の考え方でいくと、
耳は五行の「水」「腎」に対応します。
「腎」の「気」が虚している(エネルギーがうまく行き渡っていない)ので
それを補う治療を行います。
あわせて、「金」→「肺」「大腸」の「気」も補います。
また、耳の周りにツボがありますので、
そこを刺激して耳の周りの気を巡らせます。
代表的なツボとして
「耳門」じもん
「聴宮」ちょうきゅう
「聴会」ちょうえ
「エイ風」えいふう
などがあります。(他にもあります)
問題は、
本当に突発性難聴に効くのか?
これらのツボに鍼を打つことで本当に突発性難聴が治るのか?
ということ。
はりねずみのハリー鍼灸院の見解としては
●鍼を打つことは打つが、そのこと自体で(突発性)難聴が改善するとは考えていない
●基本は西洋医学の治療を受け、鍼灸は補助的に使ってほしい(補完医療の一つとして利用してほしい)
です。
理由は簡単で、統計的に言って「効くと言えそう」と言えるレベルの研究が出ていないから。
やってみないと分からないところが多分にあります。
それでは、
なぜわたしは「効かない」と思っているのにもかかわらず、耳の周りのツボに鍼を打つのか?
次回はこれについて書きます。
もし、この記事を読まれている方が鍼灸の専門学校生の方なら、あわせて
「なぜ、古代中国の人は『臨床的には効かないだろうな』と思われるツボも消さずに残したのか?」
という問題についても考えてみてほしいです。
「本当に効くと信じていたし、実際効いたこともあったから」という解答も尊重されるべきなのでしょうが・・・
★「やってみないと分からないレベルで、リスクやコストが少ないならやってみるべき」
(いわゆる「ダメもと」)
という考え方もある程度は支持しますが、それが最大の理由ではありません。