本のおはなし。
図書館で借りました。
『宮柊二集 8』(岩波書店、1990)
随筆集です。
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梶原さい子「八つの名言 ーー救いでもあり、喝!でもありーー」(pp70-71)
に紹介されていた、北原白秋の言葉の出典を調べるためでした。
梶原さんは「宮柊二『短歌に見る人生』の中に出て来る」と書いていましたが、
全集では『選歌随想[一]』(1966(S41))中「才なくて」にありました。
原典にあたるのは大事です。
※梶原氏を責めるつもりはありません。むしろ紹介してくれたことに感謝しています。
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「才なくて執するは誤り」という言葉がある。私自身そういう思いで自分を振り返ることもあり、友人から同じ意味合いでたずねられることもある。「自分には歌才というものがないのではないか。いつまで勉強していっても、遂に上達するということないのではないか。もし、あんたが私の作を見てくれていて、私に歌才がないと思うならば、そのことをはっきり言ってほしい。才がなくていつまでもやることはさびしい。そして苦しい」など。
(略)
私と同じく北原白秋門下だった友人が、かつて同じことを白秋先生にたずねた。「才があるとかないとかだれがわかるか。質問にも相談にもならない。自分で決めなさい」と一カツされたという。このきびしい言葉は救いである。
24-25 「才なくて」
(『選歌随想[一]』所収 、1966)
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