種村季弘の絶版本をゲット! 〜「阪神 春の古書ノ市ー本と出合うー」@阪神梅田本店〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

「阪神 春の古書ノ市ー本と出合うー」@阪神梅田本店8階催場 

に行ってきました。

 

種村季弘(1933 - 2004)の絶版本がまだ残っていてくれてうれしかった!

出遅れたと諦めていたのです。

 

 

ジョン・ロック(1632-1704)がこんなに面白いエッセイを書くとは思わなかったです。

『知性の正しい導き方』(下川潔 訳、ちくま学芸文庫)は立ち読みしながら笑いました。

よって、即買い。

「言葉というものは、何かを隠すためではなく何かを明言し示すためのものですが、教育者と称する人たちが言葉を違った風に用いると、本当に何かが隠されてしまいます。しかし、彼らが隠すものと言えば、話す人の無知や誤謬や詭弁でしかありません。実際、これ以外には、何も隠されていないのです」

(第29節「言葉」 pp.122-123)

 

 

ボーヴォワールの『老い』(朝吹三吉訳、人文書院)も。

「しかし、ごまかすのはやめよう。われわれの人生の意味は、われわれを待ち受けている未来のなかで決定されるのだ。われわれがいかなる者となるかを知らないならば、われわれは自分が何者であるかを知らないのだ。この年老いた男、あの年老いた女、彼らのなかにわれわれを認めよう。もしわれわれの人間としての境涯をその全体において引き受けることを欲するならば、そうしなくてはならない。そうすればただちに、われわれは老齢の不幸を無関心に是認しなくなるであろう。それがわれわれにもかかわりのあることだと感じるであろう。事実、それはわれわれにかかわりのあることなのだ。老齢者たちの不幸は、われわれがそのなかで生きている搾取の体制(システム)を白日のもとにさらす」

(『老い』(上) 、p.11「序」)

 

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『老い』の上下巻2冊まとめて棚から引き抜いたら、傍らに立っていたおばあさんに恨めしそうな目で見られました。

とんびに油揚げをさらわれたらこんな顔になるだろうという顔。

 

「あああ『わたしの』ボーヴォワールがあああ」

 

みたいな悔しさと怒りに満ちていました。

彼女も狙っていたようです。

 

こういうのはかるた大会と一緒で、早い者勝ち。

古書のバーゲンセールなんて一番油断できないんです。

 

「古書の即売会なんて、足元のおぼつかないおじいさんが行くところでしょ」なんて大間違い。

おぼつかないのは足元だけで目利きはすごい(特に絶版本や初版本を探している方)。

 

「敵ながらあっぱれ」という実戦経験を積んできた者として言わせてもらうと、迷ったら負けです。

ちょっとでも迷ったら負け。まずは手に取る。それからでも迷えます。

 

 

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