今月の本の紹介です。
『新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 』
(宮坂昌之 著、講談社ブルーバックス)
新型コロナウィルスのワクチンーーmRNAワクチンの原理がやっと分かりました。
分かったので接種にも納得です。
ワクチンを受けようと思いました。
免疫学や感染症学の復習にも、
科学的リテラシーのトレーニング(科学的知識をどう運用するか)にもなる良書です。
文系の方は、医学用語を一種の”未知数”のように取り扱う読み方が求められると思いますが、
たぶん、大丈夫でしょう。
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一方、新型コロナウイルスのレセプターはACE2で、下気道の上皮細胞に強く発現しています。一部の人たちではACE2が上気道の上皮細胞にも発現するものの、子どもではACE2の発現が弱いという報告があります。したがって、新型コロナウイルスの場合には、ウイルスが入っても、とりつきにくく、しかも子どもでは自然免疫が働きやすい状況にあるので、新型コロナウイルスの感染が万が一起こっても、軽くて済み、重症化しにくい、ということかもしれません。
(132ページ)
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「レセプターって何」「ACE2って何」といちいち“過剰反応“すると、もう読めなくなります。
※感想(メモ)
個人としてワクチンの副反応(副作用)のリスクは負うとして、
今回のワクチン接種については 技術面、倫理面、医療政策(医療経済)面での議論は必要だとも思いました。
終息してからも続けなければいけない議論です。おそらくは。
技術面:mRNAが安定な状態でいられる温度・条件をどこまで広く取れるか? 効果の持続期間をきちんとウォッチしているか?
倫理面:スピードを重視しなければならないとき、どこまで安全性や効果のチェック、法的手続きを端折れるか?
医療政策(医療経済)面:冷凍装置を用意するお金がなかったり、(内乱などで)医療基盤が脆弱な地域にワクチンをどこまで供給できるか? 費用がかかるなら誰がどのくらい負担(資金援助)するのか?