はり師・きゅう師の国家試験の合格率低下に思うこと 〜鍼灸師は魅力がない職業?〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きのう(2018年3月28日)は

第26回 はり師・きゅう師国家試験の合格発表日。

 

去年よりさらに合格率が下がって、

はり師はついに60%を切り、きゅう師も60%そこそこ。

5人中2人が国家試験に落ちる時代になりました。

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鍼灸 国家試験の結果が発表
(2018年 合格者数と合格率)

区 分 受験者数 合格者数 合格率
あまし師 1,584名 1,315名 83.0%
は り師 4,622名 2,667名 57.7%
きゅう師 4,555名 2,845名 62.5%

■はり
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2010 第18回試験 5,283 3,990  75.50%
2011 第19回試験 5,483 4,553  83.00%
2012 第20回試験 5,015 3,651  72.80%
2013 第21回試験 5,157 4,005  77.70%
2014 第22回試験 5,036 3,892  77.30%
2015 第23回試験 4,976 3,808  76.50%
2016 第24回試験 4,775 3,504  73.40%
2017 第25回試験 4,528 3,032  67.00%
2018 第26回試験 4,622 2,667  57.70%

■きゅう
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2010 第18回試験 5,262 3,939  74.90%
2011 第19回試験 5,499 4,595  83.60%
2012 第20回試験 4,996 3,498  70.00%
2013 第21回試験 5,235 4,138  79.00%
2014 第22回試験 4,998 3,946  79.00%
2015 第23回試験 4,893 3,773  77.10%
2016 第24回試験 4,732 3,550  75.00%
2017 第25回試験 4,444 3,010  67.70%
2018 第26回試験 4,555 2,845  62.50%

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わたしが国家試験を受け、合格した2008年はというと

 

■はり師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2008 第16回試験 5,561 4,347  78.2%

■きゅう師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2008 第16回試験 5,539 4,344  78.4%
 

東洋療法研修試験財団によると、
平成28年度で

はり師の免許を持っているひとは170,739名

きゅう師の免許を持っているひとは169,512名

 

どちらも約17万人、

日本国民の約740人に1人が鍼灸師ということで、

(しかも鍼灸の受療率が4〜6%をうろうろしているので

実質的には、(鍼灸を受ける)日本国民の30〜45人に1人は鍼灸師ということになり、

簡単に言うと供給過剰。

 

なんですが。

 

この問題の解決方法は簡単です。

鍼灸の受療率を上げればいいのです。

 

「わたしも鍼を受けてみようかな、こわいけれど」

 

というひとがひとりでも増えるよう、

治療技術を上げる。

と同時に、

鍼灸は健康増進に資する代替医療なんですよ、と

啓発活動も行っていく。

地道に。

 

わたしたち現場に立つ鍼灸師ができることは、

まだまだあります。

 

鍼灸治療を受けて、心身ともにスッキリしてほしい。

仕事や趣味、家事に打ち込めるようになってほしい。

(その前に、鍼灸治療の晩はぐっすり寝てください!)

元気なひとたちが元気に活動する、

豊かで、まっとうな社会になってほしい。

 

わたしは、

そういう願いをもって仕事をしています。

 

ところで。 

 

わたしの母校の兵庫鍼灸専門学校、特に現役生、

今年は、全員は合格していないっぽいです・・・

 

合格された方、おめでとうございます。
不合格だった方、来年がんばってください。

 

国家試験に限らず、努力しようがしまいが、
受かるときは受かる。落ちるときは落ちる。
それがテストです。コンクールも。