はり師・きゅう師の国家試験の合格率低下に思うこと 〜鍼灸師は魅力がない職業?〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きょうは、はり師・きゅう師の国家試験の合格発表日。
厚生労働省のサイトから。
 

第25回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について
平成29年2月25日(土)及び26日(日)に実施した標記試験の合格者数等は下記のとおりである。

受験者数
あん摩マッサージ指圧師    1,603名
はり師    4,528名
きゅう師    4,444名
合格者数    
あん摩マッサージ指圧師    1,354名
はり師    3,032名
きゅう師    3,010名
合格率    
あん摩マッサージ指圧師    84.5%
はり師    67.0%
きゅう師    67.7%
合格基準    
配点を1問1点、合計150点満点とし、90点以上を合格とする。
あん摩マッサージ指圧師    総得点  90点以上/150点
はり師    総得点  90点以上/150点
きゅう師    総得点  90点以上/150点

ここ数年の傾向は・・・

■はり師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2010 第18回試験 5,283 3,990  75.5%
2011 第19回試験 5,483 4,553  83.0%
2012 第20回試験 5,015 3,651  72.8%
2013 第21回試験 5,157 4,005  77.7%
2014 第22回試験 5,036 3,892  77.3%
2015 第23回試験 4,976 3,808  76.5%
2016 第24回試験 4,775 3,504  73.4%
2017 第25回試験 4,528 3,032  67.0%
 
■きゅう師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2010 第18回試験 5,262 3,939  74.9%
2011 第19回試験 5,499 4,595  83.6%
2012 第20回試験 4,996 3,498  70.0%
2013 第21回試験 5,235 4,138  79.0%
2014 第22回試験 4,998 3,946  79.0%
2015 第23回試験 4,893 3,773  77.1%
2016 第24回試験 4,732 3,550  75.0%
2017 第25回試験 4,444 3,010  67.7%

ちなみにわたしが受験・合格した2008年は

■はり師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2008 第16回試験 5,561 4,347  78.2%

■きゅう師
年  区分   受験者数 合格者 合格率
2008 第16回試験 5,539 4,344  78.4%
 
でした。
この約10年間で受験者数が1000人以上少なくなりました。
そもそも鍼灸師になりたいひとが減ってきている。職業としての魅力がないのでしょうか・・・
 
その上、合格率も下がっている。
今年が特別低いだけかもしれませんが、
鍼灸師になるのも難しくなってきている。
 
意欲と能力の両面でレベルの高い鍼灸師を輩出したいということかもしれず、
鍼灸師が増えすぎたから「生産調整」したいということかもしれません。
 
実際、鍼灸師の免許登録を管轄している東洋療法研修試験財団の資料によると
 
平成27年度(2015年度)における
 
はり師の免許保有者 167,256名(日本国民※757人にひとりがはり師)
きゅう師の免許保有者 165,985名(日本国民※759人にひとりがきゅう師)
 
総務省統計局のデータ【平成29年3月1日現在(概算値)】総人口1億2676万人を使用しています。
 
ですから、免許保有者全員が実際に業務を行っているとは限らないであろうにしても、供給過剰の感は否めません。
 
過当競争による共倒れのリスクも考えないといけません。
ただ、鍼灸師のレベルという点で言えば、
 
はり師・きゅう師の合格者数を減らすよりも、免許を更新制(更新のための講習会の受講は必須、不合格者には有料のフォローアップ研修が課される確認テストつき)にする方が有効だと思います。
 
どう思われますか?
 
▲鍼灸師というお仕事、あなたが思っているほどには悪くないと思うよ(小声)