「Antibodies:抗体」展@そごう神戸店9階 〜「抗体」が芸術作品なら「抗原」は何?〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きょうは、神戸・三ノ宮のそごう神戸店9階で開催されている(明日まで!)

ヴィトラ・デザイン・ミュージアム世界巡回展
「Antibodies:抗体展
 The Works of Fernando and Humberto Campana(1989~2009)」

に行ってきました。

芸術にお詳しい美術ファン(患者さま)から招待券をいただきまして。
その招待券をもらうまで、
カンパナ兄弟のことは知りませんでした。
感謝です。
自慢ですが、わたしは本当にいい患者さまに恵まれています。
(別におねだりしているわけじゃ、ないんですよ)

ブラジル・サンパウロ郊外に生まれ育った兄弟デザイナーユニットであるカンパナ兄弟ーー1961年生まれの建築家フェルナンドと1953年生まれの法律家ウンベルトーーがデザインしたユニークな家具やデザインワークが100点以上も展示されているという、実にお得な展覧会。

デザインの聖地として有名なドイツのデザイン美術館「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」の企画展として、2013年にイタリアのトリノ・デザイン・ミュージアムで開催された後、世界を巡回し、今回初めて日本に上陸するんだそうです。

写真撮影OKだったのをいいことに撮りまくりました。



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ところで今回、「抗体」展とある「抗体」とは何か?
もちろん、名前通りの生理学・医学的な文脈で使われているわけではありません。
正直、この展覧会のタイトルはちょっと装飾的に過ぎるようにも思いました。

でも、今になってみると、自分たちの芸術作品を「抗体」と表現した意味というのか、意図というのか、そういうものを感じます。

「抗体」ができるには、「抗原」が必要です。
また、「抗原」を認識し「抗体」を作る「免疫システム」が必要です。
「免疫システム」がなければ、「抗原」はただのタンパク質です。

「免疫システム」は芸術家ーーというより、人間一般(わたしたち)のーー創造性
「抗原」は現代社会ーー現実世界のエネルギ—(正負は問わず)

そして「抗体」=芸術作品は、「抗原」=現実世界を包み込み、「免疫システム」=わたしたちの過剰反応ーー不安や恐怖、ストレス反応などを鎮めてくれるのです。

「今、世界は病んでいる」という認識を持たないと、芸術作品は作れないのかもしれません。ことにカンパナ兄弟のような、新しいコンセプチュアルな芸術作品は。