タケミツ・トーンの魔力 〜『ノヴェンバー・ステップス』のようになりたい〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

高校から大学にかけて、現代音楽にかぶれた時期がありました。

「訳の分からない芸術作品を分かって『違いの分かる男』になりたい」

という背伸びしたい気持ちもあったのだと思います。

「日本の戦後の現代音楽」の最高傑作であるこの曲を聴くポイント。

「琵琶も尺八も『邦楽器』ではなく『楽器』でもなく『音が出る物体』

と思うこと。

実はオーケストラの楽器も同じように扱っているんです。

『音が出る物体』の、集まり。

そう思って聴くと、本当にシンプルです。

ムダな音が一つもない。

そのことに気づいたのは、つい最近・・・


初めて聴いてから20年以上の歳月が流れていました。

現代音楽の鑑賞においては、何よりも、繰り返し繰り返し聴いて「響きを耳になじませる」時間が必要だと思います。

聴き始めたころは、

「こんな音楽を作りたい」

と思っていましたが(身の程知らずも甚だしい)、最近は

「こんな音になりたい、音と同化したい」

と思うようになりました。

アインシュタインの『質量とエネルギ—の等価性 E=mc^2」もちょっと連想してみたり。

わたしが音になるのも、音がわたしになるのも、できるのではないか。
エネルギーを転換すれば、無から質量が生まれる(対生成)。

タケミツ・トーンの魔力が、そろそろきいてきたのかも。