美人はお灸をすえている 〜お灸で紫外線によるシミやシワが防げるわけ〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きょうはお灸の話。

お灸の効果はいろいろあるのですが、今回は美容効果について。

お灸をすえると、表皮に熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein:HSP)ができます。

HSPが何をしてくれるかというと、
(特に分子量70000ぐらいのHSP70ファミリーと呼ばれる熱ショックタンパク質群)

○傷ついた細胞・組織の修復
○修復できないほど傷ついた細胞の除去
○抗炎症作用
抗細胞死作用

細胞の修理屋さんの役割をしてくれる。
修理できそうなものは修理してくれるし、修理できなさそうなものは引き取ってくれる。
頼りになる存在です。

シミやシワは「修復出来ないほど傷ついた細胞が蓄積したもの」ですから、お灸はシミやシワの予防にいいのです。

病気もそうですが、美容においても問題が表面化する前に対処しておくことが重要です。
お灸をすえる習慣のないわたしたち若い世代は(わたしはまだ若い方だと思うのですが)それだけで損をしている。

その上、メディアの広告に乗せられて、コラーゲンを飲んだりヒアルロン酸を塗ったりと、気休めにしかならないことをせっせとやっている。
(コラーゲンの経口摂取やヒアルロン酸の外用・経口摂取でシミやシワが改善されたという科学的データはないようです。レーザーでシミを焼き切って物理的に除去するほうがまだ効果があるでしょう。強くおすすめはしませんが)

皮膚に熱を与えればHSPができるので、温泉・サウナ・ハイパーサーミア(温熱療法)でもいい。
「温泉美人」「サウナ美人」は本当の話で、温泉やサウナに入り続けるのも一法です。

ですが、現実問題として、温泉やサウナに毎日通うのは、難しい。

(本題からそれますが、備え付けの温泉・スパに入るのが目的でスポーツクラブに加入されている方がいます。スポーツクラブ側はどう思うか分かりませんが(笑)、なかなか賢い利用法だと思います。毎日入れば銭湯に行くよりも安いでしょうから)

お灸なら、ちょっとした空き時間を利用して腕や足にすえられます。
それに、家族やパートナーにお灸をすえられるのは気持ちのいいものです。
「他人をいたわる優しさ」が身につく教育的効果も。

美容効果もそうですが、健康増進の観点からもお灸はおすすめです。
お灸をすえることで、免疫機能を活性化させ赤血球を増やします。
(※ただし、赤血球を増やしたければ、継続してお灸をすえる必要があります)
また、特に足にお灸をすえることで、冷え性の改善やリラクゼーション効果、胃腸機能の亢進が期待できます。
(足の局所加温により、交感神経の活動を抑えられることが分かっています。(自律神経のトレーニングになる!))

せんねん灸の回しものではありませんが、お灸の初心者はせんねん灸のような皮膚を直接焼かず輻射熱で皮膚を温めるお灸(「隔物灸(かくぶつきゅう)」と言います)をおすすめします。
せんねん灸なら薬局(ドラッグストア)で売っています。多分。

1日3~5壮(お灸をすえる回数を「壮」で数えます)が目安です。
くれぐれもすえすぎないように。
あと、においがきついのが難点ですが、棒灸もおすすめです。
紙巻きタバコや葉巻のお化けみたいなもので、その一端に火をつけ、輻射熱で皮膚をあたためるお灸です。
こちらは、お近くのドラッグストアに売っていなければ、当院までお気軽にご相談ください。
”Local heat application to the leg reduces muscle sympathetic nerve activity in human.”