第10章 二番煎じ (7) | 3.5次元の不倫

3.5次元の不倫

この本は恋愛と人生についての小説ですが、
ひきつづき児童書(英語の対訳付)を書きました。
おたのしみに!

「すみません」

「結局は二年もたたないでつぶれちゃったじゃないの。でもね、お母さんは、つぶれてくれて良かった。いつまでも水商売をやっていたら、本当に自分の娘じゃなくなっちゃうからって、ホッとしてもいるのよ。親の気持にもなってごらんなさいよ。親不孝ね、本当に」

「はい。申し訳ありません」

「ウーから話があるって電話があったってお母さんに言ったらね、多分お金の話だろうから、なんとか引き受けてやってもらいたい。お母さんも協力するからって、私に頼んだのよ。その親心がウーにわかるかしら?」

「はい。有り難いと思っています。すみません」

「それで、どういう話なのかしら。昼休みなんて短いんだから、手短に話してもらえるかしら」

「はい。実は…」

憤りと蔑視が入り混じったような表情ではあったものの、姉は最後まで話しを聞いてくれた。話し終わると、小谷野の顔を思い浮かべ、祈った。(何と思われてもかまわない。でも、姉上様、どうかお助けください)。

「それで、坪いくらだって?」

(良かった! 祈りが通じた!)。

「一万円だそうです。百五十坪だから百五十万っていうことです」