「確かに、人との関わりっていうのは不可思議なものだと思うよ。会った瞬間から懐かしくて慕わしい気持になれる人もいれば、逆に泡立つような嫌悪感を感じる人もいるしね。思うにね、多分それは前世との関連なんだよ。人の魂は一代限りではなく、肉体を変えて永遠に生き続けるもの…」
「あの、御方様!」
思わず知らず、激しい語調で御方様の話を遮っていた。
「なんだい、どうしたんだい!」
「すみません、お話の途中で。でも、やっぱりそうなんです」
「何がそうなんだい」
「思いのパワーです。会話が自然の流れの中でこうなって、たった今、御方様が魂の事をおっしゃった時、怖気が走るような気がしました。御方様にそう言わせたのは博士なんです」
「えっ、博士って、あの博士かい」
「そうです。理工舎の仲間の、御方様が可愛がっていらした博士です。実は彼、ついこの間、突然死してしまったんです」
「ええっ、何だって!」
御方様は目を見開き、大きく息を吸い込んだ。
「本当なのかい」
「はい。私、自分の問題だけではなくて、博士が亡くなった事をどうしても御方様にお伝えしたかったんです。それが、私の役目だと思ったんです。それで、思い切って電話をかけたんです」
「お知らせしなくちゃならない事っていうのは、その事だったんだね」
「はい、そうです。あのう、これを読んでください」