外見は変わってしまったけども、
中は相変わらずの盛況でした。
変わるもの、変わらないもの。
どちらにも良さがあるのでしょうね。
一つの物語が終わっても、次の物語が始まる。
過去の経験を糧にして、
今をどう生きるかが一番大事だ。
キャラビズ業界(?)で、新しいプロジェクトを行うようで、
その説明会に参加してきました。
キャラクターというのは、象徴であり、それを通じて、
象徴されるものが身近で分かりやすくなるものであると思います。
つまり、何かを伝えるときに役に立つのではないか。
そして、自分は、公共的なもの(専門的なもの)を国民(市民、素人)に
いかに伝えるかということをテーマにしたいと思っており、
そのために何か役に立つものがあるのではないかという問題意識の下、参加しました。
主な参加者は社会人のようで、受付で「名刺を頂いてもよろしいでしょうか?」と言われました。
中には300人ちょい。大盛況。
問題意識と関連した内容では、キャラの新たな価値、
例えば、食育などの公共的価値を実現したキャラを作ることにより、
その価値を伝達し、その結果、社会的価値を実現するという話がありました。
ええ、確かにそうです。そうであるから、各自治体などがキャラを作っているのでしょう。
でも、それは昔からあるような…。
ここでのポイントは、パネルディスカッションで触れられていたように、
キャラクターがあることの効果をどう評価するかでしょう。
それが存在することによって、
どれほど新たな価値を創造したかを客観的・定量的に説明できるようになるか。
うーむ、、難しい課題です。。
公共的価値の実現のための、キャラが存在することの効果を考えてみると、
注目を集める(CMやポスターにたくさん載せることが出来る、
キャラ自体の人気によって注目が集まる)
イメージ喚起力がある(キャラをみたら、その裏にある価値観がなんとなく分かる)
キャラへの親しみが、その裏にある価値観への親しみにつながる
といったところでしょうか。
また、どのようなキャラクターであれば、
どのようなイメージを持たせることが出来るかについて考えることも重要でしょう。
うーむ、、広報、PRの仕方のような気がする。。
ついでに、懇親会にも参加してきました。
政治学をやっている人、経産省の方に少しお話を伺いました。
名刺交換会のような感じで、なかなか慣れませんでした。。
帰りには、評論家(若者文化・コスプレ)イベントプロデュースの人に会いました。
世の中にはいろんな人がいるものですね…。
~以下は、説明会の内容:ノートなので、分かりにくいところはご勘弁下さい~
・プロジェクトの内容
キャラゼミ=学生組織。キャラの市場調査、デザイン、事業化を行う。
キャラビズ講座。学生・社会人を対象とした連続講義。
それだけでなく、UT×キャラビズ公募も行うそうです。
ようは、産学連携のキッカケ作りです。そして今後は、共同研究、社会連携講座、寄付研究部門、総括研究をやっていきたいそうです。斜に構えた見方をすると、いかに自分のやっている研究の予算拡大・規模拡大を目指すというお話です。でも、そこでいかに夢を語るか、いかに魅力があるかを語れるかが重要なわけでしょう。
・パネリストからの説明
①キャラクターデータバンク 陸川さん
キャラクターデータバンクとは、国内唯一のキャラビズに特化したマーケティング&コンサルティング・カンパニー。2007年のキャラビズ市場は以下のような傾向があるそうです。
4年連続で前年を下回るという縮小傾向(1兆5,940億円)
海外のクラシックキャラクターが苦戦
「ポケモン」など上位キャラクターに集約され、多様化も進展
テレビ発の新キャラクターのヒットが殆どない
「絵本」「ネット」を中心に広がる出身媒体
よって、ネット社会の中で平準化するキャラクターの価値が高まる
次に、構造的課題としては以下のようなものがあるそうです。
ターゲット戦略:少子化…20代女性、30代女性、20代男性など大人を対象にするようになっている
流津戦略:量販店化、チェーン化。GMS、通信販売が中心。店頭には人気のものしか置いてない…
メディア戦略:テレビだけではなく、クロスメディア化
学問や研究対象として、キャラクターがほとんどない
ライセンスビジネスでは慢性的な人材不足
国内団体がない
→東大のネットワークと企業の知見のコラボが重要。
②ファンワークス 高山さん
ファンワークスは、「やわらか戦車」を作った会社。北京五輪向けにも、東京おんりーぴっくという架空の映像オリンピックをやるそうです。他には、杉並区のキャラクター「なみすけ」、スペースシャワーTV初のアニメ番組「グレートハント」(富山)の作成。会社の理念としては、クリエイターとクライアントの間に入って、橋渡しをすることだそうです。今後は、プロデューサーではなく、インフラやメディアが重要で、“新しいタイプのキャラクターやコンテンツは、常に新しい「遊び場」から誕生している”との考え。そして、大学という「場」を活用し、コンテンツ化、メディア化、ビジネス化し、全ての人が参加できる仕組みを作ろうとしているそうです。
③キャラ研 相原さん
キャラ研がやっているのは、
ユニークなキャラクター研究(香山さん、茂木さんらと)
キャラクター研究者支援(佐藤雅彦さん:ピタゴラスイッチなど)
長期的なキャラクター作り(絵本「くまのがっこう」、NHK-BSのキャラクター「ななみちゃん」、ヨサコイ祭りのキャラ)
だそうです。キャラビズで、製造業的価値発想の限界(安いものをたくさん売るという商品化という視点では衰退してしまう)があるから、新たな価値創出が必要(例:村上隆さんがアート市場にキャラを持ち込む)という問題意識だそうです。キャラが持つべき価値としては、社会的価値(環境、教育、公共性等のテーマ本格追求)、金融的価値(金融的スキーム、ファンド、富裕層)、地政学的価値(未成熟市場の攻略)、政治的価値(政治のキャラ化、政治家が興味)、ブランド的価値(販促ではなく、企業の本質的な関係。CIに代わるもの)、アート的価値(コレクション性の本格追求)、プライベート価値、情報的価値、社会学的価値など。例としては、食育をブランド化した「ジャッキーズ・キッチン」。絵本に出てくるキャラを料理で作る。「くまのがっこう」の絵本をJAL国内線全機に標準配備。ヨサコイチャピは、北海道環境大使として洞爺湖サミットなどに参加。などがあるそうです。
・パネルディスカッション
大臣が説明するより、キャラクターがいるほうが、分かりやすい。コミュニケーション的価値が高い。社会的メッセージを伝えやすい。
キャラクターそのものの造形的価値だけではなく、いかに売るかが重要となっている中で、東大が作ったというと、ブランド価値がある。女子高生のほうがキャラクター自体を作るのは得意かもしれないが。
クリエイターは多いが、マーケットがない。
アラブのアニメ。華僑ネットワークで広がる。アラブマネーは投資先を探している。つまり、キャラが受け入れられる余地がある。
プロデューサー。新しい価値をどこで作るか。
学問とキャラクター
中村仁さん(政治学専攻):公務員における国民のイメージ調査。例えば、警察。強くて守ってくれるけど、遠い存在。しかし、こち亀や踊る大捜査線で、身近に、尊敬する存在。このうち、どのキャラクターをチョイスするかによって、どのようなイメージになるかが変わる。
吉田正高さん(歴史学):歴史を超えるキャラクター。鉄腕アトム、仮面ライダー、ポケモンなど。どうしてこれらが時代を超えられたのか。