今年の漢字「壊」 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

タイトル通り。

 

ええ、それはもう。

次から次へと。

 

 

 

 

まずは、去年の師走。

冷蔵庫からスタート。

 

 

朝覗いた時には、

いつも通りに動いていた。

 

ところが、昼過ぎ。

 

外出から戻って扉を開けると、

庫内の電気がついていない。

 

慌てて冷凍庫の扉を開けると

アイスクリームが全部柔らかい。

 

 

 

 

 

「ええ?なんで!?」

 

 

 

 

 

動揺し、大声で冷蔵庫に問うてみたが、

あいにく返事はなかった。

 

 

 

 

 

 

「どうも最近調子が悪いな...」

 

 

 

 

 

こんな前触れなど

まったくなかったのに。

 

 

年の瀬が迫った

ある日の昼下がり。

 

いきなり一方的に別れを告げられ、

私たち家族は見捨てられた。

 

 

 

 

大急ぎで、隣の実家の冷蔵庫に

アイスクリームを避難させてもらう。

 

不幸中の幸いだった。

 

 

 

 

 

 

 

「修理してもらえますか?」

 

「それだと、修理はもう無理ですね」

 

 

 

 

 

 

この冷蔵庫は購入から

すでに十数年が経過しており、

 

購入した量販店に電話してはみたが、

案の定、部品の有無も含め、

もう修理の対象外だった。

 

 

 

 

 

そりゃ、そうよね。

寿命を全うしてくれたのよね。

 

最後の瞬間まで十年以上。

 

一度も壊れることなく、

不調すら訴えることもせず、

 

よくぞ長年、私たちのそばで

たくさん働いてくれました。

 

今まで、本当にどうも

ありがとうございました。

 

お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

後日、子供たちを連れて

某家電量販店へ向かう。

 

私たちが選んだ機種は、

人気があるお品だそうで。

 

 

 

 

 

「納入は年明けになりますね」

 

 

 

 

 

眩暈がした。

 

 

 

 

実は、このお店の前に行った量販店で、

同じお品物が

 

 

 

 

 

「ひと月くらいかかりますね」

 

 

 

 

 

こう言われ、

 

 

 

 

 

「そんなに待ってられるか!」

 

 

 

 

こう思って、

こちらのお店にやってきたのだ。

 

 

 

 

 

いくら北陸地方でも、

年末の寒い季節でも、

冷蔵庫がなかったら困る。

 

少なくとも、我が家は困る。

 

雪が積もっていれば、アイスクリーム以外は

雪の中に埋めておくのも、実はありなんだけど。

 

残念ながら、そのとき

積雪はなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

「あのう。すみません。何とかなりませんか...?」

 

 

 

 

 

 

手を合わせて、懇願してみる。

 

 

 

 

人間、やってみるものだ。

人間、訊いてみるものだ。

 

 

 

担当してくれた、おにいさん。

 

どこからか取り出した端末で

連絡を取り始め、

 

 

 

 

 

「岐阜に一台ありまして。

〇〇日には納入できそうですよ。」

 

 

 

 

 

その日なら、2週間後だ。

 

それくらいなら、

冬場だから何とかなる。

 

ああ。

 

夏場じゃなくて、

本当に良かった!

 

しかも。

 

最初に行ったお店より

お値段も安かった。

 

 

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

こうして。

 

扉の全面が鏡のように黒光りしている、

今どきの冷蔵庫が我が家にやってきた。

 

 

ECO表示とやらが有り。

 

「上手に使って電気を節約している」

 

黒光り様がこう評価すると、

最高で扉に星が3つ浮き出るらしい。

 

 

が。

 

うちへ来てもらってから

一年が経過した今でも

何が何やら、よく分からず。

 

扉に、

 

これをデジタル式と呼ぶのか?

 

各種ボタンが

まるで忍者のように隠れていて、

 

扉を布巾などで拭いている際、

うっかりボタンに触れてしまうらしく、

 

 

 

 

ピッ!

 

 

 

 

ホイッスルみたいな音が

台所に響くと同時に、

金色のボタンがポンポンと

いくつも浮き上がり、

 

どうにもこうにも、この黒光り様に

叱られているような気がする。

 

 

 

 

 

「ええい、この下手くそ!」

 

 

 

 

 

こう言われているような

気がしてならない。

 

 

 

 

実際。

 

触れてはいけないボタンに

触れてしまったんじゃないだろうか。

 

ある日、冷凍庫の中がゴツゴツの

氷だらけになっていたことがある。

 

水を撒き散らした後、凍ったような。

まるで、つららがのたくったような。

庫内一杯に、鍾乳洞ができたかのような。

 

こんなことが2回あった。

 

 

 

 

 

 

「もう修理かよ...」

 

 

 

 

 

眩暈がした。

 

 

 

 

もし3回目があったら、そのときは

一度見てもらおうと思っているが、

 

2回目以降、用心して、不用意に

黒光り様のボタンに触れないように

しているからだろうか。

 

それ以降、アイスクリームが

氷まみれになることはない。

 

 

 

 

 

 

それにしても。

この黒光り様の後。

 

故障や寿命、新たなニーズによって、

我が家の主要な家電は、

この一年で次々と入れ替え、

あるいは導入されることとなった。

 

 

エアコン2台

インターフォン

衣類乾燥機

オーブントースター

壊れた1台分も含め、3部屋分の天井照明

 

 

 

新たなニーズによって

買わなければいけなかったものは、

まあ仕方がないとしても。

 

 

 

その後も。

 

精米機が壊れ。

トイレが壊れ。

 

ほぼ9割方、あの世へと足を踏み入れていた

ガステーブルやPC。

 

その他にも、TVやファンヒーターが

寿命を全うした。

 

 

 

 

 

ちなみに。

 

10年以上、頑張ってくれた

ファンヒーター。

 

シーズン中は至って好調だったのに、

きちんとシーズンオフを待って後。

 

ある日。

 

ヒーターのタンク内に

残っている灯油を消費しようと

スイッチを入れると、

 

送風口からもくもくと黒煙を上げ、

自らの使命を完遂したことを

教えてくれた。

 

 

天晴。

実に見事な最期でした。

 

 

毎年毎年、私たちを温めてくれて、

本当にありがとうございました。

 

誠にお疲れ様でした。

今思い返しても、感謝あるのみ。

 

 

そして、今年。

 

新たなファンヒーターを

迎えることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

その一方。

 

日々お世話になっているので、

あまり言いたくはないけれど。

 

トイレにいたっては

便器の淵から水が漏れ、

 

しまいには、水を流す度に

そこだけ地震が起こったかように

ガタガタと大きな音を立て、

便器が左右に揺れる。

 

まるで、ホラー映画だった。

 

 

 

 

 

しかも、今朝。

 

 

 

 

 

 

「母ちゃん。トイレ、水漏れとるかも」

 

 

 

 

 

次男が報告に来る。

 

確かに便器の淵から

じんわりと水が滲み出ている。

 

 

 

 

 

 

「また修理かよ...」

 

 

 

 

 

 

眩暈がした。

 

夏場の2回に渡る修理は

一体なんだったんだ!

 

 

 

 

幸い、次男にその水をふき取ってもらった後、

何度か水を流しても、それ以降

水が滲み出てくる様子はない。

 

 

 

が。

油断できるはずもない。

 

また、ホラー映画が

始まるかもしれないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ続く。

 

このあいだ、表玄関の

電球が切れた。

 

記憶が曖昧で

断言はできないのだが。

 

もしかしたら、築40数年の我が家で、

あの電球を取り換えたのは

初めてだったのかもしれない。

 

電球の上に被せてあったガラスケースと、

更にその上を覆うスチールの枠を繋ぐ釘が

錆びて固くくっついていたため、

電動工具でやっと外した。

 

 

そういえば、数日前には

廊下の電球も事切れた。

 

 

 

 

 

 

 

挙句。

 

一昨日の朝、

今度は給湯器が壊れた。

 

この寒いのに。

 

こちらも冷蔵庫同様、

前の夜まで、なんともなかったのだ。

 

それなのに。

 

月曜日の朝には、もう息絶えて

いたらしく、ピクリとも動かない。

 

 

 

 

 

 

「また修理かよ...」

 

 

 

 

 

眩暈がした。

くらくらした。

 

ただでさえ、貧血なのに。

 

 

 

 

 

いや。

修理で済めばいい方だ。

 

 

 

 

 

「新しいものに、取り換える必要がありますね」

 

 

 

 

 

お店の人のこんな声が、

すでに聞こえるような気がする。

 

 

 

 

 

一体、どういうことなんだ。

 

 

 

 

 

ネットで調べてみると。

なにやら。

 

家電が次々と壊れるのには

色々と意味や理由があるらしいが。

 

 

昨年末から今年にかけての

我が家の家電一揆の沙汰に、

何か意味や理由があるのかないのか、

私には分からない。

 

 

ただ単に。

 

長年頑張ってくれた家電たちの

寿命が尽きるのが、たまたま重なっただけ

という気がしないでもない。

 

 

今の私に分かっていることは、

ただひとつ。

 

 

懐がキリキリと痛む。

それだけよ。

 

 

 

 

 

 

 

なんでもかんでも

次から次へと壊れやがって...

 

 

 

 

 

 

 

「今度、何が壊れるかなー?」

 

 

 

 

 

 

月曜日の朝。

 

娘が無邪気に

笑ってこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

母ちゃんの心...?

 

 

 

 

 

 

いや、絶対に負けるものか。

 

母ちゃんは、黒光りの

ホイッスルよりも偉い。

 

ポルターガイストを

起こすトイレを従える。

 

給湯器だって、母ちゃんの

言うことをちゃんと聞いて、

きっと生まれ変わる。

 

 

 

 

 

この記事を書いた後、

すぐガス屋さんに電話するんだから...

 

 

 

 

 

 

現在。

 

我が家の家計には、師走のお天気同様、

相当な木枯らしと嵐が吹き込んでいる。

 

 

 

まあね。

でもね。

 

 

 

壊れたのが、どれもこれも

みんな機械で良かった。

 

お陰様で、子供たちも私も

今日を生きている。

 

 

 

だから、良しとするべきなのだろう。

 


 

 

長年お世話になった

我が家の家電の皆々様。

 

誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

皆様。

どうか良いお年を。

 

 

 

 

 

 

 

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