エイリアンの弟子になってしばらくしてからのこと。
ある日、エイリアンがこんな話をしてくれた。
お題。
エイリアンがどんなに頑張っても治せない人。
私がエイリアンと呼ぶこの男。
師匠兼夫だからこの表現が許されるわけで、
もし私たちの間に師弟関係しかなかったら、こうは書けない。
この男、どうしようもないおっさんではあるが、腕だけは間違いない。
エイリアンのお師匠は北京でも有名な人だったそうだが、
このお師匠、中国皇帝のお抱え医師から直に学んだ後継者だったという。
そのお師匠の下で6年。
お師匠の息子さん以外では、エイリアンが一番長く修業したらしい。
そのエイリアンが言う、自分がどんなに頑張っても治せない人。
どんな人だと思います?
死にかけてる人?
権威ある大学病院の医者から見放された人?
一般的に不治の病だと思われてる人?
私が忘れられない、エイリアンのあの言葉。
「自分なんか、もうどうなってもいいと思ってる人。
自分なんか、もう死んじゃってもかまわないと思ってる人。
こういう人は、私に治す能力があっても、もうどうしようもないね。」
私は思わず唸った。
ものすごい説得力があった。
病は気から。
つまるところ、そういうことなのだろう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
応援してくださってるあなた!





