8通目「はじめての腕時計」 | 絵本の里けんぶちからの手紙

絵本の里けんぶちからの手紙

地元紙「北都新聞」さんに寄稿しています。
(2020年10月~
その中から定期的に発信していきます。

こんにちは、

2022年6月19日(日)の父の日はどのように過ごしましたか?

 

わたしは、友人に旭川美術館へ連れて行ってもらいました。

 

2020年春に行われる予定だった

「ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」を鑑賞しました。

すごく楽しみにしていた展示でしたので

今年開催されることを知り必ず行こうと決めていました。

ブルーナの作品であるうさぎの主人公「ミッフィー」が登場する

絵本「うさこちゃんびじゅつかんへいく」の内容に沿って

ミッフィーがガイド役となり所蔵作品を解説していきます。

 

親しみが持てるミッフィーが案内することで

ちいさいお子さんにも絵画や彫刻が分かりやすく紹介されていました。

 

お気に入りのレターセットですウインク

 

おそろいのデザインがあります照れ

 

ブルーナはこの「ミッフィー」が登場する作品の色彩を

赤・青・黄・緑の4色を原則とし必要によっては茶とグレーを入れています。

とても感心したことは、何色を使用するのか意味があったことです。

例えば赤でしたら「あなたの方へ向かってくるあたたかい色。楽しい時や幸せな時に使う。」

といったことです。

 

さて、今回の展覧会にどうしても行きたかった理由があるのですが、

それは初めて買ってもらった思い出の腕時計がミッフィーの絵柄だったからです。

子供用サイズですので今ははめることもできませんし、

壊れていてぜんまいを巻いても針も動きませんが

いつも目に付く場所に置いてあります。

 

 

 

父が「小学校に上がるお祝いに腕時計を買いに行こう。」と言ってくれました。

そしてお店でバンドが黄色く好きな絵柄が入っているこの腕時計が目に付いたのです。

一緒に買いに連れて行ってもらったことが

とっても嬉しく今でもその日のことを覚えています。

 

 

↓見えにくいと思いますが「シチズン」さんの時計です。

 

小学生の時に亡くなった父・・・。

本当であればわたしの成長を見守りたかったことでしょう。

父の日に何もプレゼントを贈ることはできませんでしたが、

父が亡くなった年齢を超えて元気に暮らしていることが

何よりのプレゼントではないかと思っています。

 

父が経験することができなかった今のわたしの年齢を

父の想いを重ねながら一緒に日々を過ごしていきたいです。

 

<2022年6月23日 掲載>