事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から3 | カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

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いよいよ、カウンセリング・心理療法へ

発症時
話を詳しくお聞きする。うつが発症したのは産後の大変な時期、ご主人も海外で結果を出さなくてはいけない状況で、1人での子育て。知らない土地で、言葉も頼りない状況で近所に助けてくれる人もなく、孤独な状況から追い詰められていく。
・潔癖、完全主義傾向のある彼女は、頑張ってしまう。9歳、6歳、乳児を抱えて大変であったであろう、実際にはご主人に訴えるが、感情がコントロールできずに爆発しては落ち込む、を繰り返す。
・完璧にできない自身を責め、だんだん動けなくなる。
 
 
帰国後
・病院で投薬を受けながら、休み休み動く。動けない時は、家事を人に頼み凌ぐ、程なく夫は海外の仕事を終え、帰国。
・帰国後も転勤族、日常は社宅で近所付き合いもよく明るく過ごす。
・ずっと落ち込んでいる訳ではなく、自信が回復している時は問題がなく過ごせる。
・落ち込んでしまうきっかけは、自己肯定できない出来事が引き金になる。
もっと頑張ら
なくちゃいけない、とさらに頑張る、疲れる、夫婦喧嘩、子供との衝突、自己否定感、ここまで来ると小さな引き金で、落ち込みうつ状態に、一度落ちると1週間から10日ほどで動けなくなる。
・落ち着かない、イライラする、落ち込むなど精神的に不安定な時に心療内科で処方された薬を飲むが、落ち着くと、「どうせ効かないから」と飲まない。
・自己否定感が強くなると、昼間家族のいない時間にお酒に逃げることでうつにならない日もあると言う。ただし、お酒で朦朧としたところに、貯めておいた精神薬の大量服薬、リストカットと行動になる。ナイフでスーッと手首をなぞる、ひとすじの赤い血に、生きている感覚を取り戻すという。
・高校生の長男に見られると言う事件が起こる、発症から
6年後のこと。
 
「先生、私はカウセリングで治りますか?」
 
子どもにも申し訳なくて、トラウマになったらどうしよう、私も父がいなくて、母子家庭で寂しい思いをしてきて、子供には絶対に寂しい思いや怖い思いをさせたくないと思っていたのに、ここ数年子供にも可哀想な思いをさせてしまったことにやっと気づきました。
もう2度と同じような思いをさせたくないんです。」
 
・幼少期、父母は離婚、母の実家の祖父母が近所にいる環境、母と姉との3人家族、母は遅くまで仕事に行き、やはり寂しかった。母は明るく、お酒が好き。外面がよく、人付き合いはいいが、家ではしつけにも教育にも厳しい。母は感情のコントロールできない時があり、切れて怒ると怖かった。
・小学生時代、良い子でいた。運動神経はそれほど良くないが、友達も多く、勉強も頑張る、明るく活発な優等生だった。
・中学から高校と表面は今まで通り、真面目な優等生として頑張るが、母が仕事で帰りが遅いことをいい事に、裏で不良の仲間と夜遊びに出るようになる。あまり覚えていないけれど、あの頃が一番楽しかったと語る。
・卒業後就職して上京、成人式を過ぎ、程なく結婚、夫とは喧嘩するものの、仲良くもある。近所付き合い、家事、出産、子育てと頑張っていた。
 
彼女の人格(パーソナリティ)を整理
 
① 家庭での彼女 真面目な優等生、主婦として母として、きちんとしなくてはいけない。
完璧主義、潔癖傾向、頑張りすぎる。
  *上記の普段の優等生の、家庭での彼女の人格に、⑤の人格の自分は、はっきりとはなく、「先生もしかして私、二重人格かもしれません」と語る。
② 人前での彼女 → 明るく元気、友達が多い。
③ 自己否定感が強い彼女うつになる 
④ お酒に逃げる彼女大量服薬、リストカットで現実に戻る。
⑤ 裏の顔の彼女高校生のとき、夜な夜な遊びに行って、好き勝手をしていた時の自分
(真面目な彼女は、夜な夜な遊んでいた時のことをあまり覚えていないと言う)。この人格と話すと、彼女の全体像が見えてくる。
  
*①②は人前に出す人格
*③④は自覚があるが隠している人格
*⑤(①~④に)自覚がない人格
 

⑤ の人格(パーソナリティ)の彼女との話から 

「先生、この人ホント馬鹿!!何とかしてくださいよ!息苦しいったらありゃしない。
中学、高校時代、夜になると私が出掛けていたから、元気でいられたくせに、自覚がないもんだから、また壊れようとしてる。このままだったらこの人壊れるから、仕方なく私が出てくることを自覚しようとしないんだ。ホント馬鹿!」と真面目に頑張る彼女をボロカスに話す。

 
こんな感じで始まった彼女のカウンセリング。
 
長々お読み頂きありがとうございます。
長くなってきたので、続きはまた次回に。
 
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