先日の「房総のむら」の続き。
ヤマユリが各地で咲き始めている話を聞いて、ここでも咲き始めているか確かめに行ってきました。

有料の施設内は七夕の準備が行われているなか、ベニバナをはじめ、キキョウやオカトラノオ、タイサンボク等が咲き、ホオズキやウワミズザクラ、キリの果実が目立っていました。
林床ではマムシグサの果実が目立ちます。秋に向かい赤くなっていきます。

ヒヨドリバナはまだ蕾。もうすぐで開花を迎えます。

下総の農家から水田に下りていくと土手にタケニグサの花が咲いています。


資料館下の池の淵にトクサが開花しています。
丸でツクシを連想させます。

そしてハンゲショウが花を咲かせ、葉を白くさせていました。


資料館脇に立つトウネズミモチの樹冠は淡いクリーム色に。沢山の花が咲いて、蒸せるほどの香りを放っており、沢山の虫が蜜を吸いにやって来ています。

その下ではまだガクアジサイが綺麗に咲いていました。

施設内では幾つか通行止めの箇所があり、枯れてしまって倒木の恐れがあるアカマツやコナラを伐採していました。
鬱蒼としていた林でしたが伐採により明るくなり、新たな木が育ち、林床にも新たな植物が出てきて、環境が代わっていくことでしょう。

オカトラノオが咲いていますが、今年は綺麗な“虎の尻尾”に中々巡り会えません。湾曲した尻尾は根元から先まで白い花が付いていないのです。形もずんぐりしたものも多く、この暑さの影響なのでしょうか?
漸く形がまあまあなのを見つけました。


武家屋敷の庭にはキキョウが咲き始めています。


有料施設の入り口

ここを出て一息付いて周りの里山を散策します。
資料館脇の定点の森

日中の真上からの陽射しで葉が遮り影を作っています。時折吹く風が涼しさを運んできてくれて、この暑さを一瞬忘れさせてくれます。
その近くにヤマユリの大きな蕾を発見!期待が高まります。

資料館脇の古墳群には毎年この時期ウツボグサがさきます。例年ならこのウツボグサが出る前に草刈りが行われるのですが、今年はまだのようで一部でしかウツボグサを観ることが出来ませんでした。



花序全体の姿が弓矢を入れる靱(うつぼ)に見えるこからそう名がついたと言われています。
古墳群を出て資料館裏手を歩いていると、あの甘い強烈な香りが漂ってきます。香りがする方向へ向かうと念願のヤマユリが咲いていました。しかも何輪も咲いています。喜びも一入、思わず小躍りしたくなるほどです。

深い緑の林の中に一際鮮やかに咲くその姿は正に「森の女王」です。

更に遊歩道を進んで行きます。
脇には青紫色したアキノタムラソウが咲き始めています。「アキ」とつくと何処と無く寂しさを感じてしまいますが、夏本番を向かえたこの頃から咲いています。まぁ、暦では夏も半分が過ぎていますが。


コナラやクヌギの林立する定点場所

この辺もヤマユリの花をちらほら見かけますが、今年はどういうわけか、小振りなものが多く、形は崩れ、中には途中で枯れてしまっているものも見掛けます。
この暑さと小雨が影響しているのでしょうか?

定点のヒサカキのトンネル

酒田ヶ池に向かって下りていきます。
ここでもヤマユリが咲いていました。


ここでは初見のオオバノトンボソウです。


葉の形がササバギンランのように見えて、先月訪ねた際、ここに咲いていたんだと思って勘違いしていました。
羽のないトンボが串刺し(失礼)されたような姿です。
湿地にはハンゲショウが咲いています。


池の周りを抜けて旧学習院初等課正堂に向かいます。
途中の民家の軒先に植えてあるタチアオイは梅雨明けを表す最上部の花が咲き始めていました。

梅雨明け宣言してもおかしくない天気でした。(8日現在関東地方の梅雨明けはまだです)

旧平野家住宅前に変わった花が咲いています。
ムラサキニガナは茎が1m程、弱々しくひょろとした姿ですが、ピンク色の小さな花がぶら下がって咲いています。


庭先にはギボウシが咲いています。


旧御子神家住宅ではヒメヒオウギが咲いています。

生け垣のマサキの花
ホタルブクロもまだ咲いていました。

ヤマユリに堪能できて満足の日でしたが、この空梅雨と猛暑が今後どう出るのか心配でもあります。
引き続き観察していこうと思います。