フジワライブキ先生に施術してもらいながらインタビュー
その396
ギックリ腰になりたい!
綿谷 いたたたたっ! ・・・そこ、痛いです。
藤原 太ももの内側のラインが痛いみたいですね・・・。
綿谷 そうですね・・・なんで、太ももの内側が痛いのですか? そこにリンパとかが通っているからですか?
藤原 ここは・・・足のディープ・フロント・ラインです!
綿谷 あ・・・それは、えーと、たしか・・・。
藤原 筋膜です!
綿谷 何種類かある、筋膜のラインのひとつでしたね・・・そうか僕は筋膜が、かたくなっているのか。それが、ギックリ腰の原因なのかなぁ・・・いててててて・・・。
藤原 それではですね・・・うつ伏せになれますか?
綿谷 またギックリ腰になるのが怖くて・・・できないかも・・・。
藤原 「怖い」ではなく、「痛い」は今は感じないですか?
綿谷 「痛い」は今は感じないですね・・・うつ伏せになれるかなぁ・・・よいしょ、よいしょ・・・あ、大丈夫でした! うつ伏せになれました!!
藤原 よかったです・・・「怖い」っていうのは、以前に「こう動いたら痛かった」っていう、記憶のデータがあるから仕方がないですよね・・・。
綿谷 そうですそうです。その「痛かった!」っていう過去の記憶データがあるので「怖い」んです。それから、なんか「そわっ!」と感じるものがあって「あ! また、ギックリ腰になりそうな気がする!!」みたいな。ギックリ腰って「腰がピキン! となる前兆」みたいな感じがありますよね・・・あ、「ありますよね」って藤原先生に同意を求めても、藤原先生はギックリ腰になったことがないのでしたよね・・・。
藤原 ・・・なりたい!
綿谷 え?
藤原 ギックリ腰になりたい!
綿谷 いやいやいや、何を言っているのですか・・・ならない方がいいです! ・・・動けないですよ〜。仕事も生活も何にもできなくなりますよ〜。
藤原 いや、でも・・・いいっすよね!
綿谷 ・・・何が「いいっすよね!」なのですか?
藤原 「うわ~、ギックリ腰って、こんな動けないんだぁ~」っていう経験データがほしい! 「あぁ、これはしんどいわぁ~」って実感があった方が、いいっすよね!
綿谷 あぁ、なるほど・・・それは、藤原先生はギックリ腰を経験していないので、実感がこもった的確なアドバイスを患者さんにできない・・・という意味ですか?
藤原 そうです! 痛みを知ってこそ、鍼灸師としての僕の成長になりますから・・・。基本的に、お医者さんとか、僕みたいな鍼灸師とか、治す側の先生は、患者さんがおっしゃる痛みを知っていないとダメだと思います!
綿谷 まあ、確かにそうですね。経験をしていない人からアドバイスをもらっても、その言葉は実感をともなわない、うわっつらな薄っぺら〜い言葉にしか感じないですものね・・・。
藤原 ですので・・・僕はギックリ腰になりたい!!
綿谷 う~ん、その志は、すばらしいです・・・けれど、経験者の僕としては、ギックリ腰にならないで済む人生ならば、ならない方が良いと思います・・・本当に動けないんですから!!
つづく・・・