フジワライブキ先生に施術してもらいながらインタビュー
その384
自分がやりたいことだから
綿谷 またまた前回の話の続きですが・・・このブログを「鍼灸師になりたい君へ」というタイトルの本として出版するには・・・やはり、鍼灸師になりたい若者が知りたそうなお話を足した方がいいですかねぇ・・・。
藤原 そうですね・・・鍼灸師になりたい学生さんのためになる話を・・・。
綿谷 そういえば、藤原先生は鍼灸師の専門学校に入るときに不安に思ったことはなかったのですか？
藤原 僕は「不安ナシ！」で鍼灸師業界に飛び込んじゃいましたねぇー。
綿谷 へー・・・ちなみに僕は「誰かを治療して治してあげたい！」「医療系の職に就きたい！」と思ったことがない人なのですよ・・・どうしても「そんな専門的なこと、僕にはできないだろう」って考えてしまいますね。
藤原 僕は・・・もっと軽いノリでした。
綿谷 ははは。
藤原 「治したろ！」って感じです・・・「もみほぐし屋さん」になるぐらいの軽〜い気持ちでこの業界に入っちゃいました。
綿谷 ふふふ・・・その軽い気持ちでも、ここまで立派な鍼灸師の先生になれたのですから、すばらしいことですね・・・。
藤原 あ、お給料が少ない！
綿谷 え？
藤原 お給料のことが不安だったので、この仕事を選ぶときにチェックしました。「鍼灸院、整骨院はお給料が少ないんだ・・・」っていうのを・・・。
綿谷 それは平均的なサラリーマンと比べて少ない・・・。
藤原 そうなんです・・・けれど、「自分がやりたいことだから、まぁ、いいか！」と思って、この仕事を選びました。・・・なので、途中で離脱する人や転職する人が多い業界です。
綿谷 それは、給料が少ないのでやめちゃう人が多い・・・。
藤原 そうです。やめちゃって、普通の会社のサラリーマンになる方が多い・・・。
綿谷 鍼灸師の免許を持っているのにもったいないですね・・・。そういえば、藤原先生も整骨院にいたとき、僕にそんなこと言ってましたよね。
藤原 あの頃は「鍼灸師をやめよう」と本気で思ってました・・・そして「ぜんぜん違う仕事につこう」と・・・そう思ってしまう人が多い業種ではあります。
綿谷 ・・・しかし、今思えば、ただの患者の僕に「鍼灸師をやめたいんです・・・」って相談する鍼灸師の藤原先生って、すごいですよね。
藤原 ははははは。確かに・・・患者さんにそんな話をしちゃダメですよね・・・。
綿谷 ちなみに、藤原先生は給料が少ないって理由だけが辞めようと思ったわけではなくて・・・。
藤原 給料も少ないし、それから・・・まぁ〜、なんでしょう・・・「ちゃんとした会社」っていう感じの整骨院は多くはないので・・・。
綿谷 それは・・・昔ながらの丁稚制度みたいなのが残っているとか、福利厚生面に問題があるとか・・・。
藤原 そうですね・・・これは、鍼灸師とか整骨院とかの業界全体の問題なのですけど・・・有給休暇は基本的に、ないですね。会社側と戦えば勝ち取れるかもしれないですけど・・・。
綿谷 業界全体がそういう古い体質では・・・今の若い人はどんどんやめちゃいますね・・・じゃあ、あれですね「やりたいことだから！」って心に決めて就職しないと・・・。
藤原 そうですね。「これは自分のやりたいことだから！」と固く決意して入って来ないと働き続けるのは厳しい業界かもしれません・・・僕もくじけそうになったぐらいですし・・・せっかく鍼灸師になったのに人生のムダな時間になるケースは多いです・・・。
綿谷 まぁ、全くのムダな時間にはならないでしょうけど・・・「他の業界に就職した同級生は、めちゃくちゃ儲かってる！ 残業代ももらってる！ 有給まである！ なのに、こんなにがんばっている鍼灸師の俺には、金がない！ 休みもない！ こんな仕事、やめてやるー！！」みたいに思っちゃうってことですね。
藤原 そんな感じですかね・・・。
綿谷 けれど、お金はあんまり儲からないけど、それを補って余りある良い面も、鍼灸師のお仕事にはあるのですよね？
藤原 それは、あります！ 鍼灸師の仕事の良い面といえば・・・なんだろう？
綿谷 え？ もしかして・・・鍼灸師の、良い面って、ないの？
つづく・・・
