フジワライブキ先生に施術してもらいながらインタビュー
その88
腕が上がっても四十肩
綿谷 前回のインタビューの続きになっちゃいますが・・・あのー、患者さんでいませんか? 「スジが痛いんです・・・」とかって・・・「腱」のことを「スジ」って言う方・・・。
藤原 いらっしゃいますよ。大方の患者さんが「スジ」って言います。
綿谷 そうですよねー、一般の方だと「スジ」って言うと思います。「スジ」と「腱」が同じものだということを知らないと思います。・・・藤原先生は患者さんが「スジ」って言った時は、「だいたい筋肉の端っこの方だよなぁ」と思って治療してあげるって感じですか?
藤原 まーそーですねー。あと「どの辺りですかー」とかって聞いて・・・。
綿谷 なるほど・・・。
藤原 まぁ、お話をしていけば「この辺りかなぁー」とか、だいたいは、わかりますし・・・それに、そんなに患者さんの言葉を、一語一語が正解か、間違ってるかとかは気にはしていないかなぁ・・・。
綿谷 まぁ、そうですよね。聞いていけばわかるでしょうし・・・。
藤原 「ここの骨が痛いんですよー」って言われたら、その周辺の筋肉に問題があるってことですから・・・あのー、「四十肩で痛いんですよー」とおっしゃる患者さんもいますけど、炎症がなくて「四十肩」じゃないときには、患者さんに安心感を与えるためにも「これは四十肩ではないんですよー」とは教えてあげますね。
綿谷 ん? 炎症があるのが「四十肩」なんですか?
藤原 そうです。「四十肩」の定義として、炎症がなければ「四十肩」ではないです。
綿谷 肩の筋肉に炎症が続いちゃっている状態が「四十肩」ってことですか?
藤原 そうですね。
綿谷 ふーん・・・そういえば「四十肩」って具体的にどのような症状なのですか? 「四十歳になって腕が上がらない症状」ってイメージがありますが・・・。
藤原 えーとですね・・・「肩関節周囲炎」をわかりやすく、庶民的に言ったのが「四十肩」ですね。
綿谷 肩関節、周囲、炎・・・肩の関節の周囲が炎症している・・・。
藤原 そうです。周囲と言っても、肩の関節周りには筋肉がいっぱい存在するんで、どこで炎症が起きているかによって、腕の動き方が全然違います。ですので、腕が上がる四十肩も存在します。
綿谷 へー・・・腕が上がっても四十肩・・・腕は上がるけれど、炎症していて痛いってことですか?
藤原 そうですね。
綿谷 ふーん・・・その炎症はなんで起こっているんですか?
藤原 んーっと・・・アライメントの異常なのですが・・・。
綿谷 「アライメント」って何ですか?
藤原 「アライメント」は、骨や関節の配列です。その骨の配置が、ずれることによって、本来なら負担がかからないものが、日々、重ね重ね負担がかかって、筋肉がダメージを受けて炎症してしまうんです。
綿谷 骨の位置がちょっと変わっちゃったから、変な動きになっちゃって炎症するってことですね。
藤原 そーですね。それと、筋肉の疲労によっても起きる場合もあります。
綿谷 ふーん、四十肩ってそういうことなのか・・・。
藤原 すごーく、健全な筋肉の状態で、すごーく、いい姿勢で正常な動きができている人は、四十歳になっても、四十肩にはならないです。
綿谷 ふーん・・・ちょっとした骨のズレが起こす炎症なのですね・・・。
藤原 ズレがあったり、筋肉に硬さがあったりで、本来なら骨が当たらない筋肉のところに、骨が擦れて擦れて、傷がついて、炎症になって・・・みたいな感じです。
綿谷 なるほどー・・・うーん、これは一般の方は知らないですね・・・。
藤原 そうでしょうね・・・「四十歳になって肩が痛かったら四十肩」だと思っちゃいますよね・・・。
綿谷 「私、四十歳なってから肩が痛いので、四十肩ですよね・・・」っておっしゃる患者さんに、「それは四十肩じゃないです! もうちょっと勉強してください!」とかって言ったら、ただの嫌な先生ですよね・・・。
藤原 ははははは。
綿谷 「スジが痛いんです・・・」っておっしゃる患者さんに「『スジ』ってのは俗称ですよね、正しく『腱』って言ってくださいっ!」とは言わないですよね・・・。
藤原 ははははは、そんなことは言わないです・・・そんなこと言ったら、その患者さん、僕の治療に来てくれなくなると思います・・・。
つづく・・・