嘉数の独歩13大隊長原宗辰大佐は、上田合戦の真田戦法を参考にして敵を迎え撃ったんやろか!?の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

4月5日に85高地から始まった嘉数の攻防戦は、

 

敵に押されながらも守備隊の奮闘により

 

第一防衛ラインを死守したまま18日まで

 

こう着状態が続きました。

 

その間敵は作戦の練り直しと補充を行い、

 

友軍もまた情報網の整理、部隊の配置換え、

 
陣地再構築、兵員増強、武器・弾薬補給
 
などを行い防備の再点検を行いました。

 

 

 

 

19日早朝から敵は艦砲・空爆・地上砲火による攻撃を開始
 
 
 
歩兵部隊は7時30分頃から前進を開始。
 
続いて戦車部隊が8時30分頃から行動開始。
 
 
 
 
 
 
独歩第13大隊原大隊長は
 
早くから戦車と歩兵を分離して
 
撃滅するための計画を立てていました。
 
 
比屋良川に架かる橋はことごとく破壊しましたが、
 
一か所だけ現比屋良川公園の
 
東に架かる宇地泊川橋のみ残しておきました。
 
敵戦車は必ずここを渡って攻めて来る。
 
この街道を通過するには
 
縦列でしか移動できません。
 
敵はこの策にまんまとひかかってくれました。
 
 
 
第193戦車大隊A中隊はこの辺りから進撃を開始
 
 
 
橋の南側には対戦車地雷原があり、
 
ここで3輌が擱座。
 
後方を進んでいた歩兵部隊に対し
 
弾幕砲撃し、戦車との分離に成功。
 
 
 
 
 
 
敵の攻撃目標は嘉数集落にあったけど
 
焦った敵戦車は道を間違えそのまま南進し、
 
独立速射砲第22大隊の攻撃で
 
4輌が破壊されます。
 
慌てた敵はUターン。
 
再度嘉数集落を目指します。
 
 
今度は野戦高射砲第81大隊が待ち受けてますよ。
 
一度戦車をやり過ごし、側面を速射砲で射撃。
 
また急造爆雷を背負った歩兵が戦車に突進し
 
キャタピラを破壊。
 
戦車から出て逃げようとする敵を狙撃。
 
 
 
 
しかし戦車の砲撃で多くの陣地にも被害が…
 
 
 
敵戦車隊は嘉数集落をぐるっと一周しただけで
 
攻撃に参加した30輌の内22輌を破壊され、
 
すごすごと退散していきました。
 
 
 
 
 
 
守備隊はさぞ歓喜の声を上げたことでしょう。
 
 
 
 
 
 
で、この戦術どっかで聞いたことありませんか??
 
 
そうそう、1585年に真田勢が徳川軍を迎え撃った
 
戦術に酷似してませんかねぇ。
 
1582年、織田信長は武田氏を滅ぼし
 
信濃一帯を手中に収めたのですが、
 
同年本能寺の変で死亡すると、
 
信濃近隣の北条・上杉・徳川などが
 
信濃・甲斐に侵攻し、東信濃周辺に
 
勢力を保持していた真田は徳川と協定。
 
しかし徳川は北条との密約で真田の領地の
 
一部を北条側に割譲すると約束したため
 
真田が憤慨し、徳川との戦やむなしに至ります。
 
 
家康は真田討伐の兵7000を上田に向け出兵させます。
 
迎え撃つ真田は約2000の兵力。
 
徳川軍は信濃国分寺付近に布陣。
 
一方真田は昌幸が本隊を率い上田城に、
 
長男信幸は支城の戸石城に篭城。
 
 
 
 
 
 
真田は防衛ラインを敷いてはおりますが
 
ここでの戦闘を極力避け、進撃してきた
 
徳川軍を挑発します。
 
逆上した徳川軍は、冷静さを欠いたまま
 
大手門までの直進道路を突き進むのですが、
 
町家に差し掛かると千鳥掛け柵が行く手を阻み
 
隊列が細長くなっていきました。
 
 
 
 
 
 
そこを町家の屋根から鉄砲と矢を射り
 
徳川方を次々と倒していきます。
 
また家屋に火を放ち退路を遮断。
 
パニックに陥った徳川軍は一旦引こうとしますが、
 
そこへ砥石城の信幸隊が側面から強襲。
 
伊勢崎城の民兵隊も加わり、
 
徳川軍は致命的な損害を被り敗走します。
 
 
 
 
 
 
原大隊長の敵集団をこちらの防衛陣地にうまく誘致し、
 
側面から攻撃を加え、これを撃滅させる作戦は
 
上田の策と非常に似通っています。
 
原大隊長はこの上田合戦のことを熟知し、
 
嘉数の戦いに応用してのではないでしょうか。
 
 
戦国の策が現代の戦においてもみごとに
 
通用する典型的な事例だと言えますね。
 
 
 
 
さて、北側高地を攻めた敵は
 
友軍の強力な攻撃に足止めを食らい
 
結局撤退することになりました。
 
しかし敵はその隙に西の牧港での
 
渡河に成功し、嘉数陣地の
 
西側から攻略しようと
 
虎視眈々機会をうかがっています。
 
 
 
第106歩兵連隊渡河位置
 
牧港付近から見る嘉数西部70高地
 
嘉数4丁目付近から見る西部70高地
 
 
 
牧港辺りは守備隊の手薄地域で
 
敵はそれを知ってか知らずか
 
ここでの渡河を選択し、成功します。
 
独歩第21大隊第1中隊が逆襲に出ますが、
 
跳ね返されてしまいました。
 
このままでは嘉数守備隊の側面を突かれ
 
非常にヤバイ状況です。
 
 
第62師団長はこれからどのように
 
駒を動かし、采配を振るのでしょうか。
 
見守っていきましょう。
 
 
 
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