空母バターンは、インディペンデンス級の8番艦。
CVL-22 インディペンデンス
ルーズベルト大統領は、建造中の軽巡洋艦を
空母に改装することを指示します。
それがインディペンデンス級の8隻です。
商船を改装した“護衛空母”とは
排水量や搭載機数は約30機と似ていますが、
元が軽巡だけに高速移動が可能です。
CVL-29 バターン
バターンの初陣は1944年4月21日、ニューギニアの戦い。
その後トラック・サイパン島の空襲、
1944年6月19日~20日のマリアナ沖海戦に参加。
1945年に入ると、第58任務部隊として
3月から沖縄近海に出没。
4月7日には戦艦大和の攻撃に参加、
大和の撃沈に貢献しています。
1944年1月末に就役した伊44は、伊40型の5番艦。
同型艦の伊45
1945年2月21日、回天攻撃隊千早隊として
伊368・伊370とともに
硫黄島海域に向け大津島を出撃。
硫黄島南西海域は、敵の哨戒厳にして
攻撃を断念し帰投します。
伊368は2月27日、
硫黄島西方沖合で護衛空母アンツィオの
艦載機の攻撃を受け沈没。
CVE-57 アンツィオ
伊370は2月26日、
硫黄島南方沖合で浮上航走中に敵駆逐艦の
レーダーで発見され、爆雷とヘッジホッグの攻撃により沈没。
伊44は4月3日、再び大津島を出撃します。
今度は多々良隊として、向かうは沖縄。
4月18日、南大東島北北東海域にて
駆逐艦ヒーアマンのレーダーに探知されてしまいます。
DD-532 ヒーアマン
ヒーアマンが爆雷攻撃開始すると
「なんやなんや!わても寄せてえなぁ♪」
と、ウールマンが爆雷攻撃を実施。
DD-687 ウールマン
そしてここでも“いっちょがみ”のバターンが、
トウゾクカモメのごとく獲物を横取りしようと
アヴェンジャー雷撃機2機で爆撃。
結局のところ、マーツ・コレットの共同攻撃により
伊44はとどめを刺されてしまいました。
DD-730 コレット
これで沖縄海域における日本海軍潜水艦の喪失は
8隻に上りました。
硫黄島の戦いの時でさえその周辺海域では
接近が困難だったのに、沖縄戦では周囲の海を
埋めつくす敵艦船の集団に、より過酷を極める
戦いは目に見えてたはず。
それをあえて承知で沖縄に赴く潜水艦乗員の思いは
やはり大和たちの第一遊撃部隊と同じだったのでしょう。
やられっぱなしで沈むのではなく、
せめて魚雷戦でも回天戦でも、
敵と刺し違える作戦で逝って欲しかったですね。