これまでの戦いでラッキーが続いてた重巡那智は、1944年11月5日ついに止めを刺されたゾ!!の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

重巡那智は、
 
妙高型の2番艦として1928年11月に就役しました。
 
排水量は装備で約13000トン。
 
 
開戦後は妙高・羽黒とともに
 
比島方面・インドネシア方面で作戦に従事しています。
 
 
 
 
 
 
1942年2月27日~3月1日にかけてのスラバヤ沖海戦では
 
ジャワ島攻略部隊・護衛艦隊の第五戦隊として参加。
 
 
 
ラバウル空襲下の第五戦隊羽黒
 
第四航空戦隊として参加した空母龍驤
 
 
 
それを迎え撃ったのは、
 
蘭軽巡デ・ロイテル、英重巡エクセター
 
米重巡ヒューストンなどの連合国艦隊。
 
 
 
デ・ロイテル
 
 
 
この海戦で連合国艦隊は、
 
英重巡エクセター、蘭軽巡デ・ロイテル
 
など多くの艦船が沈み、
 
我が方は駆逐艦朝雲が
 
エレクトラの砲撃を受けて大破のみ。
 
 
 
朝雲
 
朝雲・峯雲の砲撃を受けるエクセター
 
沈むエクセター
 
 
 
大勝したにもかかわらず、問題点が浮上します。
 
自慢の魚雷戦において
 
100本以上を発射したにもかかわらず
 
命中弾がほとんどなかったこと。
 
その上九三式魚雷が次々と自爆したこと。
 
 
 
餓島で敵の手に落ちた九三式魚雷
 
 
 
赤道付近で大暴れした那智は
 
修理・改装のため一旦帰国し、
 
この次はアリューシャン方面へと
 
今度は寒いとこへの派遣です。
 
 
 
 
 
 
その主任務はアッツ島への輸送作戦。
 
アッツ・キスカへの兵力強化を知った敵は
 
シーレーン破壊の作戦に出ます。
 
1943年3月末の輸送船団護衛の際、
 
カムチャッカ半島を過ぎたあたりで敵艦隊と遭遇。
 
この時、敵重巡ソルトレイクシティの砲弾が
 
那智に命中し、小破します。
 
 
 
攻撃を受けるソルトレイクシティ
 
 
 
この海戦でも海軍の欠点が露呈します。
 
那智への命中弾で主砲射撃指揮装置が故障
 
このような状況下では、
 
砲側が各個に照準射撃をすべきところ
 
砲側照準訓練は行っていなかったとのこと。
 
 
当時の砲射撃システムは、
 
方位盤という照準装置で目標を捉えてその方向を定め、
 
測距儀で距離を測り、目標の角度と
 
距離とを艦内に設けた射撃盤という
 
計算装置におくりこみ砲を向ける角度を計算し、
 
それから各砲にデータを送るシステムでした。
 
 
だからここをやられると砲撃ができなくなってしまいます。
 
そのまさかの想定をしておらず、訓練もありませんでした。
 
 
このアッツ島沖海戦では海軍はミスを連発し、
 
敵艦隊を撃滅する機会を自ら断ち切ってしまいました。
 
 
同時にアッツ島への輸送任務も失敗し、
 
幌筵島へ引き返しています。
 
 
9月6日21時頃、大湊から幌筵島に向かっていた那智は
 
敵潜ハリバットの雷撃を受けます。
 
発射された3本のうち2本が那智に命中。
 
「もはやこれまでか!?」と思われましたが
 
なんと2本とも不発で若干の浸水のみで助かりました。
 
同方面でグラニオンは駆潜艇を撃沈し、
 
グロウラーは駆逐艦霰を撃沈、
 
霞・不知火大破させる戦果を挙げてるだけに
 
那智への2本の不発は
 
奇跡と言っても過言ではないでしょう。
 
 
 
 
 
 
その後の那智は、
 
1944年10月25日志摩艦隊第21戦隊として
 
足柄・阿武隈・曙・潮・霞・不知火らと

 

レイテ突入を目指します。
 
 
 
足柄
 
阿武隈
 
 
 
 
不知火
 
 
 
スリガオ海峡に達した頃、先に突入していた
 
西村艦隊の最上と衝突!
 
 
 
最上
 
 
 
栗田艦隊は突然反転してまうし、
 
西村・志摩艦隊はこてんぱんにやられてしもた。
 
那智は残存艦を集めてコロン島に逃げ帰ります。
 
 
 
 
 
 
1944年11月5日、
 
空母レキシントンⅡ艦載機による攻撃で
 
多数の爆弾、魚雷の命中により沈没。
 
 
 
 
 
 
 
レキシントンⅡ
 
 
 
 
スリガオ湾での最上との衝突で艦首損傷した那智は
 
これが『不幸中の幸い』となり、撤退を判断したお蔭で
 
敵の空襲から逃れることができました。
 
 
北での魚雷不発と言い、
 
空襲から回避できたことと言い、
 
それまで“ラッキーガール那智”でしたが
 
ついに運が尽き、コレヒドール島南西海域で
 
その生涯を閉じました。
 
もう少し粘ることができてたなら
 
雪風のように“幸運の艦”になり得ただけに
 
ほんまに惜しいことをしましたね。
 
 
 
 
いつも御訪問戴きありがとうございます
ブログ村ランキングへの入口を
ここにも設けてみました
下矢印のクリックをお願い出来ますでしょうか