1945年5月20日、首里防衛線は各地で突破されたゾ!!牛島閣下、今後の作戦計画はいかに!?の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

激戦を重ねてきた安里52高地や、
 
130・140・150各高地はついに敵の手に落ちました。
 
 
 
安里52高地
 
 
140高地
 
 
 
 
しかし真嘉比南側高地は未だ健在で、敵はここの攻略を諦め
 
那覇にまで南下し、そこから東進することを決定します。
 
 
 
真嘉比南側高地
 
 
 
 
敵は首里の内濠をじわじわと埋めようとしています。
 
 
 
5月20日現在の防衛線
 
 
 
北側地区の大名・末吉方面では、
 
連日戦車を伴う強襲を受けていました。
 
 
 
大名高地
 
 
 
 
石嶺地区には、沖縄では数少ない
 
戦車部隊、戦車27連隊が配備されています。
 
 
 
現在の那覇市立城北小学校付近に駐留したと思われます
 
 
 
 
その中の6両は、西部130高地付近で
 
車体を戦車壕に入れ、砲塔だけを出し
 
敵の攻撃に備えましたが、
 
残念なことに全て破壊されました。
 
 
ここに来て、反転攻勢の時に出撃した戦車を
 
大幅に消耗したのが裏目と出ています。
 
 
 
 
 
 
運玉森方面は、
 
歩兵第89連隊の守備範囲で5月4日の
 
反転攻勢の時に手持ちの第1大隊・第3大隊を
 
出してしもたので、今は非常に厳しい状況です。
 
 
 
宮平北側高地から運玉森を望む
 
 
 
残りの兵力で運玉森から桃原を守備します。
 
出先陣地の51.9高地は21日頃に全滅。
 
 
 
 
 
 
51.9高地が敵に占領されて以降、
 
敵は徐々に運玉森に近づき、
 
21日頃には運玉森頂上から
 
南北の稜線の北から東にかけては
 
敵の占領するところとなりました。
 
 
 
 
 
 
またこの日、北西から西側にかけて
 
攻め込まれてるので、敵の意図は頂上付近の
 
我軍を包囲殲滅する策だと思われます。
 
 
 
第383連隊G中隊の一部がこの方面から攻撃に移ります

さらに後方の呉屋方面の高台から運玉森を望む
 
西原運動公園陸上競技場から運玉森を望む
 
 
 
嘉数の防衛ラインの戦闘以降、我軍の砲部隊は
 
果敢に守備隊の援護射撃を行ってきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
しかしここへ来て、
 
数々の砲陣地が破壊されたのと
 
弾薬不足に陥ることを心配し出しました。
 
それゆえにこれまでのような
 
援護射撃が出来にくくなり、
 
守備隊は一層窮地に陥ります。
 
 
 
運玉森を東から望む。この面はすでに敵の手に落ち
運玉森から南に延びる稜線で双方が激戦を繰り返しています
 
 
 
運玉森の西側、弁ヶ岳東方高地の前面には
 
旭川で編成された捜索第24連隊が踏ん張っています。
 
捜索連隊とは、戦闘斥候を任務とする機動偵察部隊で
 
昭和以前の騎兵連隊が昭和に入り機甲化集団に
 
変化した部隊のことです。
 
九二式重装甲車・九四式軽装甲車・九七式軽装甲車等の
 
装甲戦闘車両を保有し、自動車化歩兵を伴い
 
師団主力から独立しての挺進行動が特色です。
 
 
 
九二式重装甲車
 
九四式軽装甲車
 
九七式軽装甲車
 
 
 
しかし捜索連隊の活躍は開戦以降序盤までで、
 
敵の反攻が開始されると各島の攻防戦で
 
その機動力を発揮できず、連隊と言っても
 
約500名程度の戦力ゆえ壊滅する傾向にありました。
 
 
沖縄戦においても敵の圧倒的火力の前では
 
各機動車は歯が立たず、ことごとく破壊されました。
 
 
 
 
 
 
捜索第24連隊は第24師団の指揮下に入り
 
弁ヶ岳高地・弁ヶ岳東方高地に布陣。
 
残り少ない機動車は壕に収納し、
 
固定砲台として防御を固めました。
 
 
 
 
弁ヶ岳高地
 
弁ヶ岳東方高地
 
 
 
今や第32軍司令部の位置する首里は
 
北・東・西の3方面から包囲されています。
 
 
敵はこれまでの戦いから日本軍の壕を
 
徹底的に探し出し、しらみ潰しに馬乗り攻撃で
 
殲滅する方法を完全に自分たちのモノにしてるようです。
 
 
 
 
 
 
沖縄はこの日から本格的な梅雨に入り
 
各道路は未舗装のためぬかるみ敵の進軍は停滞します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして第32軍は、重大な決断を下します。
 
首里決戦を捨て、22日に
 
沖縄南部喜屋武半島への後退を決定しました。
 
敵の進軍が止まった今が
 
最大のチャンスだと踏んだようです。
 
 
行き場を失った多くの住民が南部へと逃れています。
 
やがて住民をも巻き込んだ
 
壮烈な戦闘が繰り返されることになります。
 
 
 
 
 
 
 
 
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