江戸時代、「江戸煩い」と呼ばれる、恐ろしい病がありました。
江戸煩いとは、脚気のとこです。
脚気について辞書には、
「脚気はビタミンB1の欠乏症。神経を冒して下肢の倦怠、知覚麻痺、右心肥大、浮腫を来し、甚しい場合は心不全により死亡する。白米を主食とする地方に多発した。江戸煩いと言う」と書いてありました。
白米を主食とする地方に多発したにも関わらず、京・大阪には少ない病気です。
京・大阪でも、もちろん、白米は食べていました。
しかし、「江戸煩い」と呼ばれ、江戸では深刻な問題でした。
そのことを、とても不思議に感じました。
江戸時代の食生活について、少し本を読んでいると……なにやら、ヒントのようなものを見つけました。
魯山人は……もちろん、江戸時代の人ではありませんが、
「東京で育った人間は、昆布味を知らない為、味覚が稚拙だ」と書いていました。
これは大袈裟な表現だとは思いますが、
「彼らは、カツオ節のみを出汁だと思っている」とも書いていて、
「あぁ、魯山人らしいな」と思いました。
実は、世界中で、大阪人だけが、昆布の味を見つけ、食べるようになったそうです。
そして、関西から西日本全体に広がりました。
しかし、ほとんど何でも食べる中国人も、西洋人も、もちろん、江戸に暮らす人々も、昆布を食べません。
昆布には、ビタミンB1やB2がたっぷりと入っています。
また、頭の回転を良くするアルギン酸も多く、DH(ドコサヘキサエン酸)を多く含む食品と食べると記憶力を保つそうです。
ビタミンB1に関して言うと、なんと、牛肉の7倍も含まれているそうです。
江戸時代が終わり、東京と名を変えると、突然、江戸煩いも終わります。
これは、当時、東京で流行した西洋風料理「スキヤキ」と「シャブシャブ」のお陰です。
牛肉には、ビタミンB1が含まれています。
脚気は、もちろんビタミンB1の不足から発生する病気です。
つまり、最初から、昆布さえ食べていたら……脚気には、かからなかったのでした。
なお、このブログは「播磨陰陽師の独り言」の第43話を再編集したものです。
