今では、あまり考えられないことですが……その昔、急速に、正体不明のゲーム機や、マイコンが、ゲームセンターにあふれ出た為……ゲームのことを勘違いする人が多かったです。

 

 ゲームセンターで知り合った人に、

「仕事は?」と聞かれ、

「ゲームを作っています」と答えると、

「あのぉ……ゲームは、どこで放送しているのですか?」と聞かれた時代でありました。

 

 ブラウン管に映る映像は、テレビ局で、放送されているものでしかなかったのです。

 

 やがてゲームセンターが、都会だけではなく、全国に広がってからも……お金を入れてプレーする機械であることが、分からない人達もいました。

 

 ゲームセンターで観察していると……お金を入れずに、ボタンを連打しても、何も起こらないことに、文句を言っているお客を見かけたものです。

 

 センターの人が、優しく、

「お客さま、ここに、お金を入れてプレイして下さい」と言うと、

「お金がいるの?

 なんだ、つまんないから、帰る」と言う、当時の困ったギャルとかいました。

 

 また、画面に漢字が表示された時点で、お客が逃げると言う現象までありました。

 

 これは、何のことか、直ぐには、分からないかも知れません。

 

 彼らは勉強が嫌いで、学校をサボってゲームをしに来ているのに……勉強しないと読めない漢字が表示されるのです。

 

 どんなに簡単な漢字でも、表示された時点でビックリして、違うゲーム機を探すのです。

 

 家庭用のゲームが登場すると、また、妙な勘違いが生まれました。

 

 ある時、知り合いの子供が、ファミコンのカセットにマリオが入っていると思っていたらしく、

「マリオのオッチャンって、この中に、おるん?」と開発用のカセットを指差しました。

 

「あぁ、おるかもね……」と言って、

「ほらッ」とカセットを開くと……その子は、ギャーと悲鳴をあげて、飛び退いたのです。

 

 しばらくして、辺りにマリオがいないことに気づいて、

「オッチャン、どこに、逃げたん?」と聞かれた時……説明するのに、苦労したのでありました……。

 

 なお、このブログは「播磨陰陽師の独り言」の第39話を再編集したものです。